2019年12月17日、米国に拠点を置く公共政策課題の解決策開発等に取り組む非営利の研究組織・ランド研究所(RAND Corporation)は、調査報告書“Crossing the Digital Divide: Applying Technology to the Global Refugee Crisis”を公開しました。
強制退去により難民となることを余儀なくされた人々は2018年には7,100万人に達し20年前の約2倍に増加しています。この深刻化する危機の中で、デジタル情報技術は難民や難民の支援組織にとって重要なリソースであり、また人道上の問題解決において重要な役割を果たすものと考えられています。
こうしたことを背景に、公開された報告書では、デジタル情報技術の活用・ニーズ・欠落状況や、難民を支援し難民支援組織の役割を向上させるためのよりよいデジタル情報技術活用のための機会に関する分析が行われています。また難民問題特有の倫理・セキュリティ・プライバシーに関する考慮事項の検討やデジタル情報技術導入にあたっての障壁の調査、デジタル情報技術の展開に関するシステマティックなアプローチを構築するためのツールの紹介なども扱っています。
調査は文献レビュー、利害関係者への半構造化インタビュー、及びコロンビア・ギリシャ・ヨルダン・米国における難民へのフォーカスグループインタビューにより実施されています。報告書では、人道支援の場において、戦略的にデジタル情報技術を活用・開発するための推奨事項が提起されています。
Published Research(RAND)
https://www.rand.org/pubs.html
※2019年12月17日付けの出版物に“Crossing the Digital Divide: Applying Technology to the Global Refugee Crisis”とあります。
Crossing the Digital Divide: Applying Technology to the Global Refugee Crisis(RAND)
https://www.rand.org/pubs/research_reports/RR4322.html
Crossing the Digital Divide: Applying Technology to the Global Refugee Crisis [PDF:121ページ](RAND)
https://www.rand.org/content/dam/rand/pubs/research_reports/RR4300/RR4322/RAND_RR4322.pdf
参考:
CA1922 – 動向レビュー:スカンジナビアにおける難民・庇護希望者に対する公共図書館サービス / 和気尚美
カレントアウェアネス No.335 2018年3月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1922
国際図書館連盟(IFLA)、移民や難民のための図書館サービスに関するウェビナーを公開
Posted 2016年5月19日
https://current.ndl.go.jp/node/31633
CA1325 – 難民に対する図書館サービス / 阿部泰
カレントアウェアネス No.249 2000.05.20
https://current.ndl.go.jp/ca1325