2019年12月12日、オランダの学術出版社Brill社は、シソーラス“Chinese Iconography Thesaurus”(CIT)のオンライン公開を発表しました。
CITは中国の視覚文化にあわせて設計されたシソーラスであり、英・ヴィクトリア&アルバート博物館の中国コレクションを担当する上級キュレーター・Hongxing Zhang氏らによるグループにより作成されました。現時点では、主に19世紀以前の情報源から抽出された語彙1万語を含んでいます。
作成に至った背景として、欧州の芸術に関する図像への索引付与等には伝統的にイコノグラフィー(図像学)の成果が用いられてきたこと、代わりとなる分類の欠如から、非西洋の芸術に対してもそのような欧州の芸術を基準とした分類が採用されてきたことを挙げています。
CITのウェブサイトはBrill社が構築・運営を行っており、英語・中国語での表示に対応しています。ウェブサイト上には、シソーラス本体以外にもシソーラスを用いた図像検索を試行できるコーナー“Search the example collections”が実装されており、ヴィクトリア&アルバート博物館、米・メトロポリタン美術館、台湾の国立故宮博物院の所蔵品画像約2,700点が検索対象となっています。
Brill Launches Chinese Iconography Thesaurus in Open Access(Brill, 2019/12/12)
https://brill.com/newsitem/159/brill-launches-chinese-iconography-thesaurus-in-open-access
Chinese Iconography Thesaurus(Brill)
https://brill.com/view/db/cit
Chinese Iconography Thesaurus
https://chineseiconography.org/
参考:
E2046 – アート・歴史分野における国際的な標準語彙の活用<報告>
カレントアウェアネス-E No.351 2018.07.26
https://current.ndl.go.jp/e2046
OCLC、目録情報等の管理サービス“WorldShare Record Manager”に機能拡張を実施:美術・建築分野のシソーラス“Getty Art & Architecture Thesaurus”の典拠ファイルが利用可能に
Posted 2019年12月12日
https://current.ndl.go.jp/node/39721