米国図書館協会(ALA)、出版大手Hachette Book Group(HBG)の発表した図書館向け電子書籍・オーディオブックの貸出モデル変更に懸念を表明

2019年6月17日、米国図書館協会(ALA)は、同日に発表された出版大手Hachette Book Group(HBG)の図書館向け電子書籍・オーディオブックの貸出モデル変更への懸念をウェブサイト上で表明しました。

このALAの懸念は、米国の五大出版社の一つであるHBGが、2019年7月1日から図書館向けの電子書籍・オーディオブックについて、永続的なアクセス権を付与するモデルから2年間の購読モデルへ切り替えること、モデルの切り替えにより提供価格が25%割引されるが、2年後の更新時にはこの割引は適用されないことを発表したことを受けて発せられました。

ALAはHBGの提供モデル変更について、初期導入費用の削減やエンバーゴを設けない方針が維持されていること等は歓迎しつつ、この変更が電子書籍やオーディオブックへの長期的なアクセスを減少させ、米国の文化遺産の長期保存に対する課題を増大させる可能性を指摘しています。

ALA ‘concerned’ over Hachette Book Group ebook and audio book lending model changes(ALA,2019/6/17)
http://www.ala.org/news/press-releases/2019/06/ala-concerned-over-hachette-book-group-ebook-and-audio-book-lending-model

参考:
Macmillan社傘下のTorが電子書籍の新刊の図書館への販売を4ヶ月遅らせると発表したことに対し、米国図書館協会(ALA)が声明を発表:カナダ都市図書館協議会(CULC)は書簡を送付
Posted 2018年7月24日
http://current.ndl.go.jp/node/36377

米Penguinグループ、OverDrive社との契約を打ち切り、電子書籍・オーディオブックの提供を終了
Posted 2012年2月13日
http://current.ndl.go.jp/node/20157

EBSCO社の“EBSCO eBooks”でHachette Book Groupの電子書籍が利用可能に
Posted 2014年8月1日
http://current.ndl.go.jp/node/26707