米・Ithaka S+R、コミュニティカレッジの図書館と学習支援活動に関する報告書を公開

2018年8月13日、米・Ithaka S+Rが、米国のコミュニティカレッジの図書館や学習支援活動が学生の成功を支援するためのプロジェクトの調査報告書“Amplifying Student Voices: The Community College Libraries and Academic Support for Student Success Project”を公開しました。

同プロジェクトは、カレッジの方針と学生のニーズの双方を満たす「学生の成功」を定義し、そのためにどのようなサービスをカレッジと図書館が提供すれば最も効果的かを調査するものです。同報告書はプロジェクトの第一段階として、米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)の協力のもと、米・Northern Virginia Community Collegeほか6つのコミュニティカレッジで、37人の学生への半構造化インタビューを行った結果をまとめたものです。

同報告書では、学生はコミュニティカレッジを進学するうえで手の届きやすい選択肢と見なしていることや、キャリアと教育の双方で各自が様々な目標を持っていることが述べられています。学生は仕事とのバランスや経済的事情、育児との両立、言語の壁、通学、学内での資料探索やサービスの活用等における問題に直面していることや、学内外の様々な場所で勉強しており、静かな集中できる環境を求めていることが明らかになりました。学生は授業に必要な情報収集はインターネットで難なく行う一方、宿題を解く際に用いるリソースについて教員に指導を求めることが多いことが指摘されています。

今後、同プロジェクトでは学生のニーズに合う新たなサービスのコンセプトを開発し、コミュニティカレッジで調査し評価するとしています。2019年にはこれらの調査結果を分析した報告書が公開される予定です。サービスのコンセプトの開発・評価のためのツールキットも公開される予定です。

New Report: Supporting Student Success at Community Colleges(Ithaka S+R,2018/8/12)
http://www.sr.ithaka.org/blog/new-report-supporting-student-success-at-community-colleges/

Amplifying Student Voices: The Community College Libraries and Academic Support for Student Success Project(Ithaka S+R,2018/8/13)
https://doi.org/10.18665/sr.308086

参考:
CA1428 – Webの情報を学生はどう利用しているか−学校が期待するものとのギャップ− / 山重壮一
カレントアウェアネス No.266 2001.10.20
http://current.ndl.go.jp/ca1428

E1827 – 学生の「成功」のために大学図書館は学内で連携を(米国)
カレントアウェアネス-E No.308 2016.07.28
http://current.ndl.go.jp/e1827