2017年10月19日付けで、米SPARCがExecutive DirectorであるHeather Joseph氏の名義で、米国上院に提出されたRand Paul上院議員による法案”BASIC Research Act”に関する懸念を表明しました。
BASIC Research Actは公的資金による研究成果へのパブリックアクセスの明文化等も図るものであると同時に、米国科学財団(NSF)の研究助成審査の中に非研究者を「納税者代表」として加えること等を盛り込んだものです。
SPARCの声明では、パブリックアクセスについて言及していることについては喜ばしいとしつつも、研究助成審査改革等については科学研究のプロセスに害をなすものであり、SPARCとして支持はできないとしています。SPARCはFASTR法案等を通じてパブリックアクセス実現について、米国議会に働きかけてきましたが、BASIC Research Actはそのような働きかけの対象ではないとも述べられています。
SPARC Statement on BASIC Research Act(SPARC、2017/10/19付け)
https://sparcopen.org/news/2017/sparc-statement-basic-research-act/
S.1973 – BASIC Research Act(Congress.gov)
https://www.congress.gov/bill/115th-congress/senate-bill/1973/text
Rand Paul takes a poke at U.S. peer-review panels(Science、2017/10/19付け)
http://www.sciencemag.org/news/2017/10/rand-paul-takes-poke-us-peer-review-panels
参考:
米SPARCが、FASTR法案の米国議会への再提出について歓迎の意を表明
Posted 2015年3月20日
http://current.ndl.go.jp/node/28198
米国政府、公的助成研究成果のパブリックアクセス拡大に向けた計画案の策定を政府機関に指示
Posted 2013年2月25日
http://current.ndl.go.jp/node/22967
米下院にNSFなど連邦政府4機関にパブリック・アクセスを義務付ける法案”PAPS ACT”提出
Posted 2013年9月24日
http://current.ndl.go.jp/node/24429
米国防総省、助成研究成果のパブリックアクセス方針草案を公開
Posted 2015年3月18日
http://current.ndl.go.jp/node/28171