2017年9月29日、英国図書館長協会(SCL)が、公共図書館での「家族学習」(family learning)について分析した報告書“The Experiential Library”を公開しました。
イングランド芸術評議会(ACE)の助成を得て、SCLとシンクタンクのCommon Visionが、30の地域の図書館での現地調査や、5つの図書館行政庁へのインタビューを行ない、どのような「家族学習」活動が実施されたか、また、それら活動がどのような成果をあげたかを検討したもので、図書館での「家族学習」が、学習効果・健康福祉・生涯学習にとって正の効果をもたらしていることを指摘しています。
また、今後「家族学習」に関するプログラムを実施しようとする図書館のための6段階のアプローチを概説しています。
調査での重要な知見として以下の6点があげられています。
・「家族学習」には、子ども・大人双方にとって、自信の増進、コミュニケーションの改善や新しいライフスキルの獲得、教員や専門家とのより良い関係の構築という利点がある。
・「家族学習」にゲームを創造的に活用し、プログラムを楽しく双方向性なものにすることで、家族と図書館の関わりが増える。
・「家族学習」への男性の関わりは女性より低いが、男性の子育てへの参加により、男性に適した活動は男性の「家族学習」への参加の機会となる。
・「家族学習」は概ね4才以下の子どもを対象としているが、4歳以上の子どもや若者に拡大することに、明確な可能性や利点が存在する。
・子どもと大人に格差がある能力(デジタル・言語)や子ども・大人双方にとっての新しい技術の世代間学習は、成長のための主要な領域とみなすべきである。
・「家族学習」は、デジタルデバイドの解消に役立つ。
@UKSCL(twitter,2017/9/29)
https://twitter.com/UKSCL/status/913704159320461313
Game ‘experiences’ help families to learn together, finds new report(SCL)
http://goscl.com/game-experiences-help-families-to-learn-together-finds-new-report/
The Experiential Library(SCL)
http://goscl.com/wp-content/uploads/The-Experiential-Library-The-future-of-family-learning-Common-Vision….pdf