2017年2月28日付けの、英・Libraries Taskforceのブログで、大ロンドン庁(Greater London Authority:GLA)の職員が、社会的統合政策の一環として、デジタル包摂社会を実現するためにロンドンで試行的に行なおうとしている“Mi Wifi”プロジェクトを紹介しています
デジタル環境から除外されているグループを対象に、基礎的なデジタススキルの訓練とあわせて、公共図書館やコミュニティセンターを通じて、Wi-Fi対応のデバイスを貸出し、その効果や価値を調査するものです。
デジタル環境から除外される理由としては、インターネットへの関心の欠如、難しくて使えないという思い込み、機器の価格等が考えられるが、“Vodafone Mobile Devices project”による最近の調査で、モバイルWi-Fiがデジタル包摂のための最も効果的な方法とされたことから、実施されるようです。
GLAは、2015年1月にデジタル包摂戦略を策定し、2016年2月には英国政府のデジタル包摂憲章(オフラインの人々を年20%減らし、2020年にはオンラインへの接続を望む人が全て接続できるようにする)に署名していますが、2016年の調査によれば、ロンドンの世帯の6%がインターネットへのアクセスができず、7.2%の住民がこれまでインターネットを使ったことが無いこと、16%の住民が基礎的なデジタルスキルを持っていないことが分かったとのことです。
Mi Wifi: helping some of the most disadvantaged Londoners to get online(Libraries Taskforce,2017/2/28)
https://librariestaskforce.blog.gov.uk/2017/02/28/mi-wifi-helping-some-of-the-most-disadvantaged-londoners-to-get-online/
参考:
英国で、デジタルインクルージョンに関するキャンペーン“Get online week 2016”が開催中
Posted 2016年10月17日
http://current.ndl.go.jp/node/32738
地方政府の指導者は公共図書館をデジタル包摂及び教育に関する地域課題を解決するための施設として想定している:ICMA等による調査(米国)
Posted 2017年1月18日
http://current.ndl.go.jp/node/33281
オーストラリアのデジタルインクルージョンの現状を調査した報告書
Posted 2016年8月24日
http://current.ndl.go.jp/node/32390
欧州の公共図書館を対象としたデジタルインクルージョンに関するアドボカシー活動への助成
Posted 2014年10月15日
http://current.ndl.go.jp/node/27227
E1874 – デジタル包摂社会と公共図書館の課題(米国)<文献紹介>
カレントアウェアネス-E No.317 2016.12.22
http://current.ndl.go.jp/e1874