図書館員が研究データ管理を遂行するにあたって影響を与える要因に関する調査(文献紹介)

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)が刊行するCollege & Research Libraries(C&RL)誌が、図書館員が研究データ管理(RDM)を遂行するにあたって影響を与える要因について調査した結果をまとめた論文“Librarians’ Perspectives on the Factors Influencing Research Data Management Programs” のプレプリントを公開しています。

論文の著者が所属するOCLCによる内容紹介によると、同論文は、36人の米国の図書館員にインタビューを行なった成果をまとめたもので、RDMを促進する要因として、

・組織間でのコミュニケーション、調整、連携
・継続的な学習やOJT
・専門家の配置
・文化の転換や関係性構築のためのリーダーシップへの支持
・デジタルリポジトリ

をあげ、制約する要因としては、

・データストレージや電子資料保存のための資金面、技術面での課題
・限られた労働時間内での多大な要求
・RDMについての能力がある職員の不足
・研究者の図書館に対する認識の古さ

を指摘しています。

Librarians’ Perspectives on the Factors Influencing Research Data Management Programs(C&RL)
http://crl.acrl.org/content/early/2017/01/30/crl17-1029.full.pdf+html

C&RL Journal Article Preprint by OCLC Researchers on RDM Available for Free Download(OCLC,2017/2/23)
http://www.oclc.org/research/news/2017/02-23.html

参考:
E1869 – 研究データ共有によるイノベーションの創出<報告>
カレントアウェアネス-E No.316 2016.12.08
http://current.ndl.go.jp/e1869

研究データ管理、学術コミュニケーション・オープンアクセス支援業務における図書館員のコンピテンシーの分析結果が公表される
Posted 2016年6月17日
http://current.ndl.go.jp/node/31828

E1792 – 研究データ管理のための資金源の長所と短所:米国の事例
カレントアウェアネス-E No.302 2016.04.28
http://current.ndl.go.jp/e1792