2016年10月25日、韓国の文化体育観光部は、韓国図書館協会と共同で行った、「2016司書就業実態調査」の結果を発表しています。
同調査は、就職時の問題点、現場で必要とされる能力などを把握し、必要な人的資源の養成及び活用に関連した戦略や改善事項を検討するために実施したもので、文献情報学科の学生、現役の司書、類似の職種の従事者約1,300人を対象に7月から9月にかけて行われました。
調査からは、
・文献情報学科や専門大学の卒業者の就職率は減少傾向にある
・公共図書館の非正規職の割合が増加傾向である
・学生の就職希望先の第1位は公共図書館
・学生の志望業務の第1位は「文化プログラムの運営」
・大学のカリキュラムについて、学生は「適切である」と答える割合が高い一方、現役の司書は「不適切である」と答える割合が高い。
・追加されるべきカリキュラムとして、学生は「電子情報の組織化及びサービス」「ビックデータ分析」を、現役の司書は「文化プログラム」「広報マーケティング」を挙げる
・就職のための最も大きな問題点として、学生も現役の司書も就職情報がない点を指摘する
といった点が明らかになったとしています。
この結果を受け、専門家による会議において、(1)カリキュラムを現場の業務に役立つよう改善すること、(2)文化プログラムに関する科目を開設すること、(3)就職情報システムを構築すること、(4)能力が活かせる書店・出版社・ポータルサイト運営会社へ就職先を拡大すること、が課題として指摘されています。
2016 사서취업실태조사 결과(韓国・文化体育観光部,2016/10/25)
https://www.mcst.go.kr/web/s_notice/press/pressView.jsp?pSeq=15666