2016年6月30日、オープンアクセス(OA)雑誌PeerJは、同誌およびコンピュータ科学分野の姉妹紙PeerJ Computer Scienceについて、同日以降に投稿された、英国の著者を含む論文については、著者が希望すればAPCを減額することを発表しました。論文ごとにAPCを払う場合を対象に、15%(695ドル中の100ドル)を減額するとのことです。
これは英国のEUからの離脱を支持する国民投票結果を受け、英ポンドが暴落し、ドルでの支払いを求められるPeerJ等のAPC負担が増大したことに配慮したものです。また、英国の機関に属する研究者が共著者に含まれる場合、支払者本人が英国の研究機関に属さなくとも、減額の対象にするとされています。その意図について、PeerJブログでは「国際協調の推進につながることなら、今はできる手はなんでも試すべきだ」と述べられています。
Brexit impact and UK author APC relief at PeerJ(PeerJ Blog、2016/6/30付け)
http://peerj.com/blog/post/115284878859/brexit-and-uk-author-apc-relief/
参考:
PeerJが生涯投稿料モデルに加えて論文ごとにAPCを払うモデルも開始 APCは695ドル
Posted 2015年10月27日
http://current.ndl.go.jp/node/29784
EUからの離脱を支持する英国民投票結果に対する科学者たちの反応(記事紹介)
Posted 2016年6月28日
http://current.ndl.go.jp/node/31911
英国図書館情報専門家協会、国民投票の結果を受け、声明を発表
Posted 2016年6月27日
http://current.ndl.go.jp/node/31895