EU競争力担当相理事会、2020年までにすべての公的資金による学術出版物をオープンアクセス化することで合意

2016年5月26日から27日にかけてブリュッセルで行われたEU競争力担当相理事会(各国の科学、イノベーション、商業、産業担当大臣による会合)において、2020年までにすべての公的資金による学術出版物をオープンアクセス(OA)化すること等を盛り込んだオープンサイエンスに関する合意が承認されました。

この合意はEU理事会議長国であるオランダの主導で成されたもので、Horizon 2020の助成を受けた研究に限らず、各国単位の公的助成を受けた研究の成果についても、2020年にはすべてOAとすることとされています。実現手段については限定されておらず、エンバーゴについても設けないか、設ける場合もできるだけ短くすることなど、期間を明言はされていませんが、期限を決めてゴールが示されたことについて評価する声等が報じられています。

合意の中では研究データのオープン化についても言及されていますが、データについては「可能なかぎりオープンに、必要な範囲でクローズドに」する等とされています。

Competitiveness Council, 26-27/05/2016(European Council)
http://www.consilium.europa.eu/en/meetings/compet/2016/05/26-27/

Preparation of the Competitiveness Council on 26-27 May 2016 Draft Council conclusions on the transition towards an Open Science system – Adoption
http://data.consilium.europa.eu/doc/document/ST-8791-2016-INIT/en/pdf

In dramatic statement, European leaders call for ‘immediate’ open access to all scientific papers by 2020(Science、2016/5/27付け)
http://www.sciencemag.org/news/2016/05/dramatic-statement-european-leaders-call-immediate-open-access-all-scientific-papers

参考:
EU理事会議長国・オランダ主導のもと、EUのオープンサイエンスに関する会議が開催され、アクションプランが示される
Posted 2016年4月7日
http://current.ndl.go.jp/node/31283

オランダの科学技術・イノベーション諮問会議によるオープンサイエンスに関する勧告書の英語版が公開
Posted 2016年4月6日
http://current.ndl.go.jp/node/31277