オタワ大学のHeather Morrison氏が、ブログ”Sustaining the Knowledge Commons”でElsevier社等の出版者のオープンアクセス(OA)雑誌の状況を分析した調査結果を紹介しています。
この調査でMorrison氏は出版者のウェブページからデータを取得・分析したとのことです。その結果、現在もっともOA雑誌刊行タイトル数が多い出版者はElsevierで、511のOA雑誌を刊行していました。次いで多いのはDe Gruyter社の435誌、さらにHindawi社の405誌と続くそうです。
ブログ記事およびあわせてアップロードされた論文草稿(PDF)においてはElsevier社のデータ詳細も分析されており、511のOA雑誌中、315誌はAPC(論文処理加工料)によるのではなく学会や機関等のスポンサーシップによって成り立っていることが紹介されています。また、OA雑誌とハイブリッドOAを導入している雑誌のAPCの比較、著作権を誰が保持することになっているかの分析等もなされています。
Elsevier: now the world’s largest open access publisher(Sustaining the Knowledge Commons、2016/5/13付け)
https://sustainingknowledgecommons.org/2016/05/13/elsevier-now-the-worlds-largest-open-access-publisher/
参考:
APCへの為替レートの影響 ユーロ圏では米ドル建てのAPCにかかるコストは1年前に比べて21%上昇(記事紹介)
Posted 2015年5月26日
http://current.ndl.go.jp/node/28551
Elsevier社の言語学雑誌‘Lingua’のオープンアクセスを巡り、同誌の編集者6名を含む編集委員全員が辞職し、新しい雑誌を立ち上げへ Elsevier社も声明を発表
Posted 2015年11月10日
http://current.ndl.go.jp/node/29927
オランダ大学協会とElsevier社、オープンアクセスと購読契約についての交渉が合意
Posted 2015年12月11日
http://current.ndl.go.jp/node/30197