米国国立標準技術研究所(NIST)が公的助成に関するパブリックアクセス計画を公開しています。この方針は米国大統領府科学技術政策局(OSTP)が2013年2月22日に発表した、政府機関に対してパブリックアクセス方針策定を求めた指令に応えるものです。
NISTのパブリックアクセス計画は論文と研究データの双方を対象としています。論文については、NISTの助成を受けた研究者は、その研究の成果に基づく論文について、出版後12カ月以内に、著者最終版をPubMed Centralで公開することが求められています。この方針は3段階で運用される予定で、2015年中は試験運用としてNISTの発行する雑誌等に掲載された論文を対象とし、2年目はNISTに属する研究者の研究成果全体を、3年目以降は助成を受けた全研究者を対象とするとのことです。
また研究データについては、助成を受けた研究者は、研究データ管理計画を策定することや、データの発見可能性や論文とのリンク実現に資するため、関連するデータのカタログを作成すること等が求められています。
National Institute of Standards and Technology Plan for Providing Public Access to the Results of Federally Funded Research
http://www.nist.gov/data/upload/NIST-Plan-for-Public-Access.pdf
NIST Releases Public Access Plan: Agency will Partner with NIH to use PMC Platform(SPARC、2015/4/6付け)
http://www.sparc.arl.org/blog/nist-releases-public-access-plan-agency-will-partner-nih-use-pmc-platform
参考:
E1437 – 政府情報のオープンデータ化に関する大統領令制定(米国)
カレントアウェアネス-E No.238 2013.06.06
http://current.ndl.go.jp/e1437
米国政府、公的助成研究成果のパブリックアクセス拡大に向けた計画案の策定を政府機関に指示
Posted 2013年2月25日
http://current.ndl.go.jp/node/22967
米国政府機関(NASA、AHRQ、USDA)が、公的助成による研究成果のパブリックアクセスの方針を公開
Posted 2015年2月25日
http://current.ndl.go.jp/node/28052
米国防総省、助成研究成果のパブリックアクセス方針草案を公開
http://current.ndl.go.jp/node/28171