Ithaka S+R、学術電子書籍ビジネスモデルに関する調査報告書を公開

2025年8月13日、米国の非営利団体Ithakaの調査部門Ithaka S+Rが、学術電子書籍ビジネスモデルに関する調査報告書“The Current State of Academic E-Book Business Models: Access Strategies and Budgeting Realities”を公開しました。著者は、Ithaka S+RのTracy Bergstrom氏とMakala Skinner氏です。

米国及び欧州の人文社会科学分野の学術電子書籍出版のビジネスモデルが図書館や著者のニーズをどの程度満たしているかに関する調査であり、学術図書館、出版者、著者などへのインタビュー等が実施されました。

調査の主な結果として、以下のようなものが挙げられています。

・ 一部の図書館においては、学術電子書籍の入手に当たり、複雑な購入プロセスを理解し、対応できる経験豊富な職員が不足している。
・ 図書館と出版者の学術電子書籍に関する認識には大きな隔たりがあり、それぞれが懸念するポイントが異なっている。
・ 多くの図書館では、コンテンツ需要、予算、人員といったそれぞれの要件を満たすため、様々な入手手段を組み合わせて学術電子書籍を調達している。
・ 著者が自らの学術電子書籍のオープンアクセス化に価値を置いているかどうかについては、意見が分かれた。

The Current State of Academic E-Book Business Models(Ithaka S+R, 2025/8/13)
https://sr.ithaka.org/blog/the-current-state-of-academic-e-book-business-models/

Bergstrom, Tracy; Skinner, Makala. The Current State of Academic E-Book Business Models: Access Strategies and Budgeting Realities. Ithaka S+R. 2025.
https://doi.org/10.18665/sr.323373