米国の公共図書館における依存症やメンタルヘルス支援のための返却不要のコレクション(記事紹介)

2025年1月2日付けで、American Libraries誌(オンライン)に依存症やメンタルヘルス支援のための米国の公共図書館の取組に関する記事“No Questions Asked:Public libraries build no-return collections for addiction and mental health support”が掲載されています。著者は、ノースウェスタン大学のAviva Bechky氏です。

記事では、精神疾患、依存症からの回復、メンタルヘルス等のテーマに関する書籍を排架する書架を設置し、必要とする人に無償で提供したり返却を前提としないで貸し出す米国の公共図書館の取組が紹介されています。こうした資料の持ち出しに当たっては、図書館カード作成の必要はなく、匿名性が守られます。

具体的な事例として、サンフランシスコ公共図書館(SFPL)の取組“Read to Recovery”やアイオワ州のエイムズ公共図書館(Ames Public Library)の取組“FYI Shelves”などが紹介されています。

No Questions Asked:Public libraries build no-return collections for addiction and mental health support(American Libraries, 2025/1/2)
https://americanlibrariesmagazine.org/2025/01/02/no-questions-asked-addiction-mental-health/

Read to Recovery(SFPL)
https://sfpl.org/services/read-recovery

参考:
図書館はいかにして精神疾患を持つ人々の避難場所になったか(記事紹介) [2022年10月05日]
https://current.ndl.go.jp/car/46943

2018年の米国の“Library of the Year”が発表される:サンフランシスコ公共図書館 [2018年06月06日]
https://current.ndl.go.jp/car/36114

米・サンフランシスコ公共図書館、ノートパソコンとポータブルWi-Fiをセットで貸出すサービスを開始 [2017年06月08日]
https://current.ndl.go.jp/car/34136

E2270 – 米国のオピオイド危機と公共図書館の対応に関する研究報告書
カレントアウェアネス-E No.393 2020.06.25
https://current.ndl.go.jp/e2270