利用者が理解していない図書館用語:2012年から2021年までの研究レビュー(文献紹介)

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)刊行のオープンアクセス誌“College & Research Libraries”(C&RL)の85巻6号に、利用者の図書館用語に対する理解度について論じた記事“Library Terms that Users (Don’t) Understand: A Review of the Literature from 2012-2021”が掲載されています。

記事では、図書館用語に対する利用者の理解度に関する知見を含む、2012年から2021年までの51件の研究文献をレビューしています。調査結果として、利用者が理解していない用語の数は理解している用語の約2倍であり、また、理解していない用語として最もよく名前が挙がったのは、ジャーナル(journals)、記事(articles)、データベース(databases)であったこと等が述べられています。

また、先行する調査として主要なものである、米・カリフォルニア大学図書館のJohn Kupersmith氏による2011年の報告書“Library Terms That Users Understand”について、この報告書内で示されているユーザビリティに関する推奨事項の多くは現代でも有用であるが、技術の進歩に合わせた調整が必要であると論じています。

McDonald, C.; Trujillo, N. Library Terms that Users (Don’t) Understand: A Review of the Literature from 2012-2021. College & Research Libraries, 85(6), 2024, p. 906-929.
https://doi.org/10.5860/crl.85.6.906

関連:
Kupersmith, John. Library Terms That Users Understand. 2012.
https://escholarship.org/uc/item/3qq499w7

参考:
利用者用システムで図書館用語を分かりやすくするためのベストプラクティス(米国) [2012年03月07日]
https://current.ndl.go.jp/car/20334