2024年8月21日、米・ナイト財団が、米国の公立学校における図書の利用制限に関する米国人の意識に関する調査報告書を公開しました。
2021年以降、米国の公立学校における図書の利用に関する申立てや制限は劇的に増加しているものの、これに関する一般市民の意識、態度、関与に関する調査は限られているとし、無作為抽出された米国内の成人に対してアンケート調査が実施されました。調査報告書では、有効と判断された4,567人のアンケート回答を基に、公立学校における図書の利用制限等に関する米国民の意識がまとめられています。
主な調査結果として、以下のようなものが挙げられています。
・ アンケートの回答者の大多数は、図書の利用制限の問題について情報を得ていると感じており、また、個人的に重要な問題であると答えているが、この問題に関して積極的に行動している人は少ない。
・ アンケート回答者のうちの3分の2が公立学校での図書の利用制限の動きに反対しており、ほとんどの人が公立学校の選書を信頼している。
・ 全体的には図書の利用制限に反対している人が多いにも関わらず、アンケート回答者の約6割は、特に低年齢の生徒にとって、図書の内容が年齢相応であるか否かは図書の利用を制限する正当な理由であると考えている。
同調査に関する補足資料及びデータセットも併せて公開されています。
Americans’ Views on Book Restrictions in U.S. Public Schools 2024(Knight Foundation, 2024/8/21)
https://knightfoundation.org/reports/americans-views-on-book-restrictions-in-u-s-public-schools-2024/
Americans’ Views on Book Restrictions in U.S. Public Schools [PDF:32ページ]
https://knightfoundation.org/wp-content/uploads/2024/08/Americans-Views-on-Book-Restrictions-in-U.S.-Public-Schools-2024.pdf
Americans’ Views on Book Restrictions in U.S. Public Schools: Supplement to the Main Report [PDF:34ページ]
https://knightfoundation.org/wp-content/uploads/2024/08/2024_AmericansViewsonBookRestrictions_Supplement_KnightFoundation_LangerResearchAssociates.pdf
※補足資料です。
参考:
PEN America、米国の公立学校における禁書の状況に関する報告書を公開 [2024年05月27日]
https://current.ndl.go.jp/car/220473
PEN America、米国の公立学校における2022-2023年の禁書の動向に関する報告書を公開[2023年10月02日]
https://current.ndl.go.jp/car/193563
CA2029 – 米国の図書館における検閲に関する動向 / 小南理恵
カレントアウェアネス No.354 2022年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2029