英国学士院、研究評価制度“Research Excellence Framework”の新たなオープンアクセス方針案に対して意見を提出

2024年6月18日、英国学士院(British Academy)が、同国の研究評価制度“Research Excellence Framework”(REF)の新たなオープンアクセス(OA)方針案に対して、意見を提出したと発表しました。

REFを共同運営する英国の四つの研究助成機関は、2024年3月18日から6月17日まで、REFの次期評価に適用するOA方針案に関して意見招請を実施していました。同方針案では新たに、長編の学術出版物(単行書や図書の章等)について、原則として出版から24か月以内に出版社版又は著者最終稿をOAとすることなどが盛り込まれています。

発表では、同方針案は、長編出版物が重要な出版手段である芸術、人文・社会科学分野の研究者に損害をもたらす可能性があること、研究者が利用できる出版の選択肢を制限するおそれがあること、大学の資金危機を更に悪化させかねないこと等を指摘し、同方針案の差止めを求めるとしています。

The British Academy responds to the Research Excellence Framework 2029 Open Access Consultation(The British Academy, 2024/6/18)
https://www.thebritishacademy.ac.uk/publications/british-academy-responds-research-excellence-framework-2029-open-access-consultation/

Research Excellence Framework 2029 open access consultation(REF2029)
https://www.ref.ac.uk/guidance/ref-2029-open-access-policy-consultation/

参考:
英国の高等教育機関の研究評価を行う“Research Excellence Framework”が、評価結果を公表 [2015年01月05日]
https://current.ndl.go.jp/car/27735

E2448 – 英・UKRIの新オープンアクセス(OA)ポリシー公開について
カレントアウェアネス-E No.425 2021.11.25
https://current.ndl.go.jp/e2448

花﨑佳代子. 研究助成機関によるオープンアクセス義務化への大学の対応―英国の事例―. カレントアウェアネス. 2017, (332), CA1903, p. 26-32.
http://current.ndl.go.jp/ca1903