2023年10月11日付けで、査読付きオープンアクセス誌“In The Library With The Lead Pipe”に、科目関連指導等の業務依頼に対して“NO”と言ったことのある学術図書館員の経験と感情を検証する記事が掲載されています。著者は、米・グランドバレー州立大学のリエゾン・ライブラリアンであるAnna White氏です。
予算や人員が削減される一方で、学術図書館員への期待と責任は増大しており、業務依頼を断らざるを得ないケースも増えているとあります。そうした問題意識の下、記事では図書館員が学生への指導の依頼等を拒絶することに関する先行文献調査がなされているほか、図書館員へのアンケート調査の結果が紹介されています。
アンケート調査は、指導を担当する米国及びカナダの学術図書館員を対象としています。得られた284の有効回答を基に、指導の機会に対してどういう立場の人が拒絶したのか、なぜ拒絶したのかのほか、拒絶するときの感情に関する調査の結果等について述べられています。
White, Anna. Let‘No’Be‘No’: When Librarians Say‘No’to Instruction Opportunities. In The Library With The Lead Pipe. 2023.
https://www.inthelibrarywiththeleadpipe.org/2023/let-no-be-no/
参考：
学生のメンタルヘルス支援における、教育実践を通した大学図書館員の役割（文献紹介）[2023年10月30日]
https://current.ndl.go.jp/car/194770
誤情報に対する大学図書館員の視点：追跡調査と比較研究（文献紹介）
[2023年08月09日]
https://current.ndl.go.jp/car/190124
