2023年10月12日、大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)が、Elsevier社との間で2024年から2026年までの3年間を期間とする転換契約提案に合意したと発表しました。
発表によると、同提案は、学術論文へのアクセスのために大学等が出版社に対して支払ってきた費用(購読料)を、オープンアクセスで論文を出版するための費用(論文掲載料)へと段階的に転換させることを意図したものであり、日本の研究成果のビジビリティの向上や、オープンサイエンスの進展に寄与することが期待されると述べられています。
Elsevier社との協議にはJUSTICE会員館から57の大学が交渉チームとして参画しており、交渉に参画した大学を含む140の大学が提案に関心を表明しています。
なお、同提案に関心を表明した全ての大学が直ちに契約するものではなく、各大学で今後、契約の可否を個別に判断することになるとしており、発表時点では各大学の契約締結・開始時期は未定です。
プレスリリース:JUSTICEとエルゼビア 日本のオープンアクセスを拡大する転換契約提案に合意(JUSTICE, 2023/10/12)
https://contents.nii.ac.jp/justice/news/20231012
https://contents.nii.ac.jp/sites/default/files/justice/2023-10/JUSTICE-Elsevier_TAs_PR%28J%29_0.pdf
※二つ目のURLはプレスリリースの詳細[PDF:497.46 KB]です。
Japan Alliance of University Library Consortia for E-Resources (JUSTICE) and Elsevier strike agreement to accelerate open access publishing in Japan while providing continued access to quality research(Elsevier, 2023/10/12)
https://beta.elsevier.com/about/press-releases/japan-alliance-of-university-library-consortia-for-e-resources-justice-and
参考:
米国化学会(ACS)の出版部門、東京工業大学と“Read and Publish”契約を締結 [2023年03月09日]
https://current.ndl.go.jp/car/173813
大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)とWiley社、オープンアクセス(OA)契約を締結 [2023年01月12日]
https://current.ndl.go.jp/car/170686
Wiley社と東北大学・東京工業大学・総合研究大学院大学・東京理科大学、転換契約を見据えたオープンアクセス促進に関する覚書に署名 [2022年02月10日]
https://current.ndl.go.jp/car/45620
米国化学会(ACS)の出版部門、東京理科大学と“Read and Publish”契約を締結:ACSと日本の機関による同種の契約締結は初めて [2021年03月10日]
https://current.ndl.go.jp/car/43504
E2505 – 国内4大学とWiley社との電子ジャーナル転換契約の締結
カレントアウェアネス-E
No.437 2022.06.23
https://current.ndl.go.jp/e2505
CA1977 – 動向レビュー:学術雑誌の転換契約をめぐる動向 / 尾城孝一
カレントアウェアネス No.344 2020年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1977