フィンランド国立図書館、国内の公共図書館の共同電子図書館の運営母体となることを発表:共同電子図書館は2024年に公開予定

2023年5月24日、フィンランド国立図書館が、同国内の公共図書館の共同電子図書館の運営母体となることを発表していました。

同電子図書館は、教育文化省による資金提供を受けてヘルシンキ市立図書館が調整して進行している関連プロジェクトが2023年末に終了後、フィンランド国立図書館が引き継ぐことになっています。同館ではこのサービスを開発・調整するための独立した電子図書館部門を設けるとあります。

現時点では、図書館の電子資料コレクションは複数の異なるプラットフォームに分散されているため、どのプラットフォームにアクセスできるかは利用者の居住自治体によって異なります。 新しい電子図書館は、全てのフィンランド人に図書館のデジタルコンテンツ利用の平等な機会を提供するとしています。

電子図書館は2024年初頭の公開が予定されており、まずは電子書籍、オーディオブック、電子雑誌の貸出が行われるとあります。公開後も、図書館や利用者からのフィードバックに基づいて新たなコンテンツの追加や開発が行われます。

電子図書館の開発や運営にあたっては、参加自治体や図書館を対象とした定期的な公開セッションが開催される予定です。なお、同電子図書館への参加の可否は、各自治体が決定するとあります。

The National Library becomes the parent organisation of the Finnish e-library(National Library of Finland, 2023/5/24)
https://www.kansalliskirjasto.fi/en/news/national-library-becomes-parent-organisation-finnish-e-library

関連:
E-library project aims to build a one-stop e-library(Libraries.fi)
https://www.libraries.fi/elibraryproject

参考:
フィンランドの「公共図書館におけるデジタルメディアのサービスコンセプト」に係るプロジェクト:電子サービスを調整する単一の運営体の設置を推奨(記事紹介)[2021年05月14日]
https://current.ndl.go.jp/car/43999

E2457 – フィンランド公共図書館のデジタルメディアプロジェクト
カレントアウェアネス-E No.427 2021.12.23
https://current.ndl.go.jp/e2457