国際図書館連盟(IFLA)、検閲に関する会長の声明を発表

2023年6月5日、国際図書館連盟(IFLA)が、検閲に関するBarbara Lison会長の声明を発表しました。

IFLA会長による声明は、図書館の自由に蔵書を構築し維持する能力が制限されているとする報告を定期的に受けたことによるものとあります。

声明では、個人や政治家(民主的に選ばれた人またはそうでない人の両方)が、自分たちの世界観を他人に押し付けるために図書を撤去・禁止しようとする動きが活発化している中では、図書館専門職が知的自由の代表となる使命を実現することが不可欠であると述べられています。

政府・非政府の主体が図書館のコレクションから書籍を撤去したり収集を妨げる行動をIFLAが非難することは明白であるとし、図書館員自身が、コミュニティ全体のニーズに応える蔵書を構築する方法の決定を主導しなければならず、またその権限を与えられなければならないとしています。そして図書館員は、声高に叫ぶ人や政治的な権力を持つ人たちだけでなく、すべての人が図書館を利用できるようにすることに焦点を当て続ける必要があるとしています。

Empowering libraries to lead in developing collections: President’s statement on censorship(IFLA, 2023/6/5)
https://www.ifla.org/news/empowering-libraries-to-lead-in-developing-collections-presidential-statement-on-censorship/

参考:
米・バイデン政権、LGBTQI+コミュニティを守るための新たな行動を発表:禁書問題に関する対応も [2023年06月09日]
https://current.ndl.go.jp/car/183082

米国図書館協会(ALA)、米国図書館界の概況についての報告書(2023年版)及び「2022年に最も批判を受けた図書」を公表 [2023年04月27日]
https://current.ndl.go.jp/car/180922

CA2029 – 米国の図書館における検閲に関する動向 / 小南理恵
カレントアウェアネス No.354 2022年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2029