Googleブックス訴訟の修正和解案、日本の作品は対象外に

米国司法省の意見書などを受けて修正が協議されていたGoogleブックスをめぐる訴訟の新たな和解案が、2009年11月13日に、著作者団体やGoogle社らの訴訟当事者からニューヨーク連邦地方裁判所に提出されました。主な修正点は以下の点です。

・対象となる書籍の範囲が縮小され、米国の作品以外で対象となるのは、米国著作権局に登録された作品か、カナダ、英国、オーストラリアの3か国で出版された作品に限定される。これにより、日本の作品のほとんどは対象外となる。

・権利者が名乗り出ない書籍(unclaimed books)からの収益等は受託人が管理し、権利者探しの費用に充当されるか、慈善事業に分配される。版権レジストリの運営費用や他の権利者への支払いに用いられることはない。

・将来に追加できる事業モデルは、プリントオンデマンド、ダウンロード、一般消費者の購読、の3つに限定する。

・他の小売業者にも、一般消費者への販売を認める。

・版権レジストリとの関係でGoogle社には他社と同等以上の条件が適用されるという「最恵待遇」条項を削除する。

・権利者の希望に応じて、クリエイティブコモンズなどのライセンスも認める。

・公共図書館に置かれる閲覧端末の台数を、複数台に増加させることができる。

この修正案について、2009年12月から告知が開始され、異議申し立て・意見提出・司法省の見解発表などを経て、2010年2月に成否を決める公聴会が開催される予定とのことです。

グーグルの修正和解案、日本を除外=書籍デジタル化計画(2009/11/15付けYahoo!ニュース(時事通信)の記事)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091115-00000003-jij-int

書籍電子化、英語圏に限定 グーグルなどが修正和解案(2009/11/14付け中国新聞の記事)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200911140265.html

Google Book Search和解問題、和解当事者側が予定どおり修正案を提出(hon.jpの記事)
http://hon.jp/news/1.0/0/1339/

Press Review+: Google Book Search Revised Settlement (2.0) Released; What About Libraries?(2009/11/13付けResourceshelfの記事;修正案本文を含む、多数の英文情報へのリンクあり)
http://www.resourceshelf.com/2009/11/13/press-review-google-book-search-revised-settlement-settlement-2-0-released/

GBS: The Schedule (Proposed) (2009/11/14付けThe Laboratoriumの記事;今後のスケジュールについての記述あり)
http://laboratorium.net/archive/2009/11/14/gbs_the_schedule_proposed

参考:
E857 – Google Book Searchと出版社・著作者団体との和解案がまとまる
http://current.ndl.go.jp/e857

E906 – Googleブック検索和解,日本の権利者にも影響
http://current.ndl.go.jp/e906

E973 – Googleブックス和解案への意見書が相次ぐ
http://current.ndl.go.jp/e973