『公共図書館における、物議を醸している資料の扱いに関するガイド』が物議を醸す(英国)

英国博物館・図書館・文書館国家評議会(MLA)が2009年2月17日、内閣および文化・メディア・スポーツ担当省(DCMS)の委託を受けてまとめた、物議を醸している資料・情報・インターネットコンテンツの扱いに関する公共図書館向けのガイドを刊行しました。これは、英国の図書館・情報専門家から幅広く意見を聴取し、とりわけ蔵書の選択(選書)と管理に関する優れた実践事例を提供するという意図で作成されたものですが、この中に、

・コーランの排架場所が聖書の排架場所よりも下であったことから一部の利用者に抗議を受けた→ムスリム組織財団にアドバイスを求めたところ、すべての聖典(コーラン、聖書を含む)を書架の一番上に排架するようアドバイスを受けた。

という事例が掲載されています。この対応について、Daily Mail紙が、「図書館は聖典崇拝の場ではない」「ライブラリアンシップに反する」「人々に読まれるべき、また実際よく使われている資料を不便な場所に排架するのはおかしい」といった、図書館界外部からの批判が起こっていることを紹介しています。

Controversial material
http://www.mla.gov.uk/news/press/releases/2009/controversial%20stock
http://www.mla.gov.uk/news/press/releases/2009/~/media/Files/pdf/2009/ControversialMaterialReport
(上のリンクはプレスリリースです。)

Libraries told to put Bible on top shelf to avoid offending Muslims | Mail Online
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1148363/Libraries-Bible-shelf-sop-Muslims.html

19 February 2009付けLibrary & Information Update blogの記事
http://communities.cilip.org.uk/blogs/update/archive/2009/02/19/bible-on-top-shelf-sop-to-muslims-claims-daily-mail.aspx