CA1861 – Library Services Platformの現在 / 大谷周平

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カレントアウェアネス
No.326 2015年12月20日

 

CA1861

動向レビュー

 

Library Services Platformの現在

琉球大学附属図書館:大谷周平(おおたに しゅうへい)

 

1.はじめに

 本稿ではLibrary Services Platform(以下、LSP)と呼ばれる製品群の動向を紹介する。LSPの主要製品として、Ex LibrisのAlma(1)、OCLCのWorldShare Management Services(WMS)(2)、Innovative社のSierra Services Platform(Sierra)(3)、ProQuest社のIntota(4)、Kuali財団が開発するオープンソースのKuali Open Library Environment(Kuali OLE)(5)が挙げられる。当初は次世代図書館システム(6)E1282E1307E1394参照)と呼ばれたこれらの製品だが、現在ではLSPという呼称が定着している。図書館システムコンサルタントでありウェブサイト「Library Technology Guides」を運営するブリーディング(Marshall Breeding)氏によるレポート“Library Services Platforms: A Maturing Genre of Products”が、今年の5月に米国図書館協会(ALA)の“Library Technology Reports”誌に掲載された(7)。レポート名に“Maturing”(成熟しつつある)とあるようにLSPはもはや次世代のシステムではなく、運用段階に入っており、海外では図書館システムの有力な選択肢となっている。

 以下、ブリーディング氏のレポートをベースとして、LSPの定義、特徴、市場動向、各製品の開発・導入事例、東アジアでの導入状況を概観する。

 

2.LSPの概要

2.1.LSPの定義

 LSPという呼称はブリーディング氏によって2011年に初めて用いられた(8)(9)。同氏によると、資料の電子化に伴い、図書館は統合図書館システム(Integrated Library System:ILS)の他に電子情報資源管理システム(ERMS)やナレッジベース(CA1784参照)など複数のシステムを組み合わせて業務を行うことを余儀なくされている。これらのシステムを統合し、図書館業務を効率良くする包括的なプラットフォームを提供する製品群をLSPと定義している。

 

2.2.LSPの特徴

 ブリーディング氏によるLSPの機能面および技術面の特徴は以下のように整理できる。

 

2.2.1.機能面の特徴

 まず機能面の特徴としては、ILS、ERMS、ナレッジベースなど複数の現行システムを置き換えることが挙げられる。LSPは冊子体資料の購入、電子リソースのライセンス管理、オープンアクセス資料などさまざまな形態の資料を収集することができるワークフローや、MARC、Dublin Core、XML標準など広範なメタデータフォーマットを管理する機能を有している。図1のWMSの雑誌発注画面では、冊子体と電子リソースの契約状況の確認や発注機能が統合されている。また、資料のWorldcatにおける所蔵数なども確認できる。

 

図1 WMSの雑誌発注画面

図1 WMSの雑誌発注画面

 

 各種データの共有機能もLSPの特徴的な機能の一つである。コレクション分析を単館のナレッジベースで行うだけでなく、同一システムを利用する他館のナレッジベースを活用することで、より複合的なコレクション分析が可能になる。また、Almaの「コミュニティゾーン・ネットワークゾーン」という機能は、導入館が加盟するコンソーシアム、Alma導入館などさまざまな範囲でメタデータを共有し、目録作業の軽減やコレクション共有を可能とする。

 図書館員の意思決定を支援するさまざまな統計機能も充実している。一例を挙げると図2のAlmaのダッシュボード画面では、コストパーフォーマンスのよいジャーナルや各ベンダーとの契約状況、資料分類毎の支出状況などが表示されている。

 

図2 Almaのダッシュボード画面

図2 Almaのダッシュボード画面

 

2.2.2.技術面の特徴

 技術面の特徴へと目を向けると、LSPは大規模Webサービスの技術トレンドに基づいて開発されている。基本的にクラウドサービスとして、GmailやAmazonといったサービスと同様に全ユーザーが一つのインフラを利用するマルチテナントプラットフォームで提供されている(10)。また、開発手法としてシステム全体を小さなサービスの集合としてとらえるサービス指向アーキテクチャが用いられており、機能の追加や修正が比較的容易なこと、Webブラウザを通じて業務インターフェイスを提供することで特別なソフトウェアのインストールが不要になり端末を選ばずに業務を行えることなども特徴である。

 図書館システムは図書館内に留まらず大学の財務システムや学生情報管理システムと連携することが一般的であるため、相互運用性や拡張性を高めるAPIの提供も技術面の特徴として挙げられる。Ex Libris、OCLCはそれぞれLSPのAPIを公開し、かつ第三者が作成したプログラムを共有するプラットフォームを公開している(11)E1250参照)。例えば、図書館員が自作した統計分析ツールや、利用者からの購入依頼を受けた書籍の在庫情報をAmazonから取得するプログラムなどが公開されている。

 クラウドでサービスが提供されることは技術面の大きな特徴であるが、そのメリットとして、一つはハードウェアの調達費用やその維持管理の人件費を軽減できること、もう一つはすべての図書館が基本的に同一バージョンのシステムを利用することになるため、ベンダー側のシステムアップデートのコストが軽減され、小刻みなアップデートが可能となることである。これにより図書館側は小さなバグの解消に長時間待たされることなく、速やかな対処が期待できる。デメリットとして、カスタマイズを行いにくいことや外部サーバーにさまざまなデータをアップロードすることのリスクが挙げられる。図書館コンサルタントであるグラント(Carl Grant)氏は調達時にはベンダーのセキュリティに関する認証取得状況などを確認する必要性を指摘している(12)

 

2.3.LSPか、それともILSか

 現状では、LSPはILSを完全に置き換えるものではなく、今後もILSは図書館システムの選択肢として残っていくと考えられている。ブリーディング氏が毎年刊行している図書館システムの動向レポート(13)(14)と“Library Journal”誌の編集者であるエニス(Matt Enis)氏のレポート(15)を参考に、主要なLSP、ILSの2012年から2014年までの新規契約数及び2014年末の総契約数を表1に示した。

 LSPの導入機関は順調に増えつつあること、VoyagerやMillenniumのように新規契約を中止しているとおぼしきILSが存在する一方で、現時点でもILSを選択する機関が一定数あること、多くの機関がILSを運用していることが読み取れる。

 

表1 主要LSP およびILS の導入状況

カテゴリー企業製品名201220132014累計
LSP Ex LibrisAlma173143406
OCLCWMS879279303
InnovativeSierra117113123495
ProQuestIntota3535※
ILS Ex LibrisAleph2025252,392
Ex LibrisVoyager6001,261
InnovativeMillennium30601,172
InnovativePolaris274415483
InnovativeVirtua1475370

※Intotaは評価版の契約数
Automation Marketplace 2012-2013、Library Systems Report 2014-2015、Managing Multiplicity | Library Systems Landscape 2015 をもとに筆者が作成

 

2.4.ディスカバリーサービスとの関係

 LSPは複数のシステムを統合したものだが、そこにディスカバリーサービス(CA1772E1604参照)は含まれていない。しかし、LSPは冊子体資料と電子リソースを統合して管理するものであり、伝統的なOPACよりもディスカバリーサービスとの親和性が高い。加えて、Ex Libris、OCLC、ProQuest社は、それぞれPrimo、Worldcat Local、SummonというWebスケールディスカバリーサービスの提供ベンダーでもある。Innovative社は独自のセントラルインデックス(CA1772参照)を有していないが、EBSCO社のセントラルインデックスを用いてEncoreというディスカバリーサービスを提供している。このようにディスカバリーサービス提供ベンダーがLSPベンダーとも重なっているため、両者がセットで導入される事例も多い。この場合、同一ベンダーからセットで契約することによる価格面での優遇と初期設定の労力軽減が期待できる。

 いずれのLSPもAPIを提供しているため、特定ベンダーに依存することを避けるのであれば、LSPとは異なるベンダーのディスカバリーサービスを導入することも可能であるが、このような選択をする機関は少数派である。

 Kuali OLEは独自のディスカバリーサービスを有していないため、Kuali OLEを導入しているシカゴ大学などでは、Kuali OLEと同様にオープンソースで開発されているディスカバリーサービスVuFindが採用されている。オープンソースの採用は、各館のニーズに応じた柔軟なカスタマイズを可能にする一方で、導入機関にも高い技術力が要求されることになる。

 

3.LSPをめぐる企業動向

 図書館システムベンダーの買収・合併による統合が進んでいる。Innovative社は図書館システムベンダーであるVTLS社とPolaris社を2014年に買収した。VTLS社はOver SkiesというLSPの開発を行っていた企業でもある。同年にはProQuest社もIntotaを開発していたビジネス事業部門であるSerials SolutionsをProQuestブランドに統合している。さらに2015年10月にはProQuest社によるEx Libris社の買収が行われた。LSPだけでなく、ディスカバリーサービス・リンクリゾルバなど競合するサービスを提供してきた両者だが、当面それぞれのサービスは引き続き提供されるということである(16)

 一方でディスカバリーサービスの主要なベンダーのひとつであるEBSCO社は、LSPの開発には参入せずにLSPおよびILSベンダーとパートナーシップを締結するという戦略を取っている。結果として独自のセントラルインデックスを持たないSierraやKuali OLEを導入した機関でEBSCO社のセントラルインデックスが活用される事例もあり市場の拡大に成功している。しかし、グラント氏は先述のProQuest社によるEx Libris社の買収をうけて、EBSCO社もいずれInnovative社やSirsiDynix社のような図書館システムベンダーを買収する可能性を指摘している(17)

 

4.主要製品の概略と導入事例

4.1.主要製品の概略

 LSPの主要5製品について、概要と開発スケジュール、初期導入館、開発における重点事項などをブリーディング氏のレポート、および各公式Webサイトの情報に基づいて紹介する。

 

4.1.1.Alma(Ex Libris)

 Almaはイスラエルに拠点を置く世界でも有数の図書館システムベンダーEx Librisによって開発されてきた。Ex LibrisはAlephとVoyagerという2つのILSも提供しているが、Alma開発にあたっては、一からシステム構築が行われている。2009年7月にUnified Resource Management(統合資源管理)として開発が開始され、2012年7月に米国のボストンカレッジに最初に導入された。大規模な大学図書館を中心に採用されている。

 

4.1.2.WMS(OCLC)

 WMSはWorldcatを提供するOCLCによって開発されている。2009年4月にWorldcatの書誌データを活用した新たなWebスケール管理システムとして開発が始められ、2010年11月に米国の公共図書館コンソーシアムであるクレイブン・パムリコ・カータレット地域図書館システム(18)が最初にWMSを導入している。その後、2011年1月に一般向けにリリースされた。Almaと比較して中規模クラスの大学図書館を中心に採用されている。

 

4.1.3.Sierra(Innovative)

 Sierraを提供するInnovative社もEx Librisとともに主要なILSベンダーの一つである。自社で開発したMillenniumや、買収した企業のPolarisやVirtuaの提供・サポートも行っている。2011年6月にSierraの開発を開始し、2012年4月に米国のブルームフィールドタウンシップ公共図書館で初めて導入されている。SierraはMillenniumをベースに開発されており、開発開始から1年に満たない期間で運用が始められている。大学図書館を中心として採用されているその他のLSPと異なり、Sierraの採用機関には公共図書館が多く含まれている。

 

4.1.4.Intota(ProQuest)

 Intotaを提供するProQuest社は図書館関連サービス提供企業の中でも最大手に位置づけられる。図書館向けのコンテンツが主要な製品であるが、電子リソース関連サービスを提供していたSerials Solutionsを統合することで、ディスカバリーサービスやLSPの分野にも進出してきている。2011年6月にWebスケール管理システムという名称で開発を発表し、2013年11月にIntotaとして評価版をリリースしている。2014年6月に電子リソース管理とコレクション分析機能を備えた基盤バージョンをリリース、2014年12月の段階で米国のピッツバーグ州立大学を含む31機関がIntotaを契約している。2015年後半には冊子体管理機能を備えた製品版をリリース予定である。もともとサービスとして提供していた電子リソース管理システムを統合して開発しているため、冊子体資料を管理する機能はまだ備えておらず、ILSの代替となる機能は有していない。しかし、2015年内に製品版がリリースされた後には英国ハダーズフィールド大学などいくつかの機関が他社ILSから移行する予定である。

 

4.1.5.Kuali OLE

 Kuali OLEはアンドリュー・メロン財団から助成を受けて開発されているオープンソースの図書館システムである。2008年8月にスタートし(E1003参照)、2010年12月には米国インディアナ大学を中心に開発が開始されている。2013年11月に冊子体資料の管理機能を備えたver.1.0がリリースされ、2014年8月に米国のシカゴ大学・リーハイ大学が導入している。2015年4月には英国のロンドン大学東洋アフリカ研究学院が導入している。2015 年後半に電子リソース管理機能を備えたver.2.0がリリースされ、米国のデューク大学も導入予定である。2016年前半には財務システムとの連携などが強化されたver.3.0がリリースされる予定である。

 

4.2.LSP導入レポート

 現時点ではIntotaやKuali OLEについてまとまった導入レポートは存在しない。Alma、WMS、Sierraの3製品の導入レポートの一部として以下のものが存在する。例えばAlma-米国のコンソーシアムOrbis Cascade Alliance(OCA)(19)(20)(21)(22)、WMS-米国のペパーダイン大学やニューメキシコ大学(23)(24)、Sierra-米国オレゴン州立大学(25)などの事例である。

 本節ではコンソーシアムで共有の図書館システムとしてAlmaを採用したOCAの事例について、概略を紹介する。

 OCAは、オレゴン州、ワシントン州、アイダホ州の37の学術機関で構成される地域コンソーシアムである。加盟機関間のリソース共有のため、2008年以降Innovative社のINN-ReachやOCLCのWorldcat Navigatorを利用してきた。また、加盟機関はILSもInnovative社のMillenniumで統一し、データ共有をはかってきた。

 ワシントン州立大学のシステムライブラリアンであるコーニッシュ(Alan Cornish)氏らによると、2つの理由から一つの図書館システムを共有することを決定している。一つはILSでは構造上メタデータの共有に限界があり、コンソーシアムにおけるリソース共有のニーズに対応できないこと、もう一つはILSのためのハードウェアやメンテナンスにかかる人件費が高額であり、予算が削減されるなか少しでも負担を軽減する必要があったことである。また、これまでのリソース共有は図書館間の協力に過ぎず、コンソーシアム内で共有システムを用いることで、協力から真の共有へと移行できるとも述べられている。

 2011年7月、図書館システムを共有するという意思決定が行われ、プロジェクトチームによって、2011年のRFI(情報提供依頼書)、2012年のRFP(提案依頼書)(26)の策定やベンダーによる提案、2012年10月のAlma導入決定までの過程が述べられている。

 Ex Librisとの契約締結後OCAでは、2013年6月から2015年1月にかけて、加盟機関を4つのグループに分けて、順次データ移行を行っている。このデータ移行作業については、ワシントン州立大学とセントラルワシントン大学について、チュ(Lihong Zhu)氏とフウ(Ping Fu)氏がそれぞれの経験を述べている。チュ氏によると新しい図書館システムへと移行することは、従来の運用を見直し、不要なローカライズをやめ、国際標準およびベストプラクティスへと近づくチャンスであると指摘している。フウ氏の論文では各作業段階においてどの程度スタッフの労力が必要とされたかの調査結果が掲載されており、データ移行テストや研修に最も多くの時間が割かれたとしている。いずれの論文でも、ベンダーとスタッフとの十分なコミュニケーション、トレーニング、そしてプロジェクトマネジメントがデータ移行作業成功の重要な要因であると述べている。またフウ氏は、システムライブラリアンポストの求人情報の分析から、LSPの登場によってシステムライブラリアンの役割が直接的なシステム管理から職員や利用者へのサポートやベンダーとのコミュニケーションへと変化していることも述べている(27)

 

4.3.LSP導入後の評価

 ブリーディング氏は毎年図書館システムの満足度調査を行っており(28)、一定数の導入機関が存在するAlma、WMS、Sierraの3製品の結果が報告されている。調査結果のうち、図書館システムの満足度を抜粋し、ILS主要製品と比較したものを表2に示す。

 館種が混在していることや回答数も異なることから、単純に比較するのは困難だが、公共図書館用の図書館システムPolarisが特に高い評価を受けていることを除けば、現時点でのシステム満足度はLSPとILSでそれほど大きな差異は見られない。

 LSPを導入した機関の具体的な評価として、WMSを導入したニューメキシコ大学では、冊子体の目録と電子リソースのリストが統合されたことから電子リソースの可視性が高まったことやシステム維持コストの軽減を挙げている。一方で各業務において求められる全ての機能が提供されているわけではないため、いくつかの業務においてシステムに合わせてワークフローの変更を余儀なくされたことも指摘している。

 

表2 図書館システムへの満足度(2014)

 企業製品名回答数満足度※
LSPEx LibrisAlma466.4
OCLCWMS726.9
InnovativeSierra2815.9
ILS Ex LibrisAleph1396.4
Ex LibrisVoyager1475.8
InnovativeMillennium2126.1
InnovativePolaris1697.5
InnovativeVirtua255.52

※満足度の尺度は(低)0~9(高)である。
Perceptions 2014: An International Survey of Library Automation をもとに筆者作成

 

5.東アジアにおける導入状況

 現在、日本国内でLSPの導入事例は存在しないが、Innovative社のMillenniumを利用している早稲田大学はその後継としてSierraの導入を検討している(29)。対象を東アジアにひろげると韓国のソウル大学が2013年にAlmaの早期導入プログラムに参加しており、2015年8月に運用を開始した。韓国では以前より延世大学がEx LibrisのAlephを導入しており、他にも複数の大学がInnovative社の図書館システムを導入している。京都大学の野上・西川氏(30)が指摘しているように、韓国の標準的な書誌データフォーマットKORMARCはMARC21をベースに作成されており、比較的海外図書館システムの参入障壁が低いと考えられる。筆者がEx Librisに照会したところ、韓国ではソウル大学のほか1大学がAlmaを2015年8月に導入、いくつかの大学が導入を検討しているとのことである。その他の導入事例としては、香港の嶺南大学および台湾の陽明大学がSierraを契約している。

 

6.おわりに

 ほとんどの大学図書館が国産の図書館システムを利用し、NACSIS-CATPへの対応が必須とされる日本の現状を考慮すると、国内におけるLSPの普及は相当の困難が伴うであろう。しかし、LSPそのものの導入はできなくとも、クラウドへの移行によるハードウェア維持コストの軽減や複数の管理システムの統合による業務の効率化といったLSPの特徴は、国内の図書館でも求められる機能であろう。ベンダー側へ図書館システムの機能改善を要請するだけではなく、図書館側も特殊なカスタマイズを極力減らし、図書館システムの仕様ひいては各種業務の標準化を進めていく必要がある。LSPの動向を注視しつつ、LSPの存在が日本国内の図書館システム事情にもよい影響を与えることを期待したい。

 

(1) “Alma”. Ex Libris.
http://www.exlibrisgroup.com/category/AlmaOverview, (accessed 2015-10-31).
Ex Librisは3章で述べるように、2015年10月にProQuest社に買収された。現時点では、それぞれのサービス・サポートは継続されるとのことから、本稿ではそれぞれ独立した企業・製品として扱う。

(2) “WorldShare Manegement Services”. OCLC.
https://www.oclc.org/worldshare-management-services.en.html, (accessed 2015-10-31).

(3) “Sierra”. Innovatives.
https://www.iii.com/products/sierra, (accessed 2015-10-31).

(4) “Intota”. ProQuest.
http://www.proquest.com/products-services/intota.html, (accessed 2015-10-31).

(5) “Overview of OLE”. Kuali Foundation.
https://www.kuali.org/ole, (accessed 2015-10-31).

(6) Kristen Wilson. Introducing the Next Generation of Library Management Systems. Serials Review. 2012, vol. 38, no. 2, p. 110–123.

(7) Marshall Breeding. Library Services Platforms: A Maturing Genre of Products. Library Technology Reports. 2015, vol. 51, no. 4, p. 1-38.

(8) Marshall Breeding. A Cloudy Forecast for Libraries. Computers in Libraries. 2011, vol. 31, no. 7, p. 32–34.

(9) Marshall Breeding. Smarter Libraries through Technology: Moving Toward the Reintegration of Discovery. Smart Libraries Newsletter. 2011, vol. 31, no. 11, p. 1–3.
http://journals .ala.org/sln/issue/view/299, (accessed 2015-10-31).

(10) Sierraはローカルホスト版も存在するがクラウドでの提供も行っている。Kuali OLEはクラウドではないが、その代わりに提携企業によるホスティングサービスというオプションを提供している。

(11) Matt Enis. Ex Libris Launches Developer Network. Library Journal. 2015.
http://lj.libraryjournal.com/2015/04/technology/ex-libris-launches-developer-network-library-systems-landscape-2015, (accessed 2015-10-31).

(12) Carl Grant. The Future of Library Systems: Library Services Platforms. Information Standards Quarterly. 2012, vol. 24, no. 4, p. 4–15.

(13) Marshall Breeding. “Automation Marketplace 2012: Agents of Change – The Digital Shift”. Library Journal. 2012.
http://www.thedigitalshift.com/2012/03/ils/automation-marketplace-2012-agents-of-change/, (accessed 2015-10-31).
Marshall Breeding. “Automation Marketplace 2013: The Rush to Innovate – The Digital Shift”. Library Journal. 2013.
http://www.thedigitalshift.com/2013/04/ils/automation-marketplace-2013-the-rush-to-innovate/, (accessed 2015-10-31).

(14) Marshall Breeding. “Library Systems Report”. American Libraries Magazine. 2014.
http://americanlibrariesmagazine.org/2014/04/15/library-systems-report-2014/, (accessed 2015-10-31).
Marshall Breeding. “Library Systems Report”. American Libraries Magazine. 2015.
http://americanlibrariesmagazine.org/2015/05/01/library-systems-report/, (accessed 2015-10-31).

(15) Matt Enis. Managing Multiplicity. Library Journal. 2015.
http://lj.libraryjournal.com/2015/04/technology/managing-multiplicity-library-systems-landscape-2015/, (accessed 2015-10-31).

(16) “ProQuest and Ex Libris Join to Accelerate Innovation for Libraries Worldwide”. ProQuest.
http://www.proquest.com/about/news/2015/ProQuest-and-Ex-Libris-Join-to-Accelerate-Innovation-for-Libraries-Worldwide.html, (accessed 2015-10-31).

(17) Carl Grant. “Another perspective on ProQuest buying the Ex Libris Group”. Thoughts from Carl Grant.
http://thoughts.care-affiliates.com/2015/10/another-perspective-on-proquest-buying.html, (accessed 2015-10-31).
本記事では、ほかにもProQuest社による買収について、Ex Libris社のPrimoがコンテンツ中立のディスカバリーサービスでなくなったこと、まだ市場にでていないIntotaの今後の方向性についての分析なども述べられている。

(18) “CPC Regional Library System”. New Bern-Craven County Public Library.
http://newbern.cpclib.org/nbccpl/cpcrl.html, (accessed 2015-10-31).

(19) Marshall Breeding. Case Study: The Orbis Cascade Alliance: Strategic Collaboration among Diverse Academic Institutions. Library Technology Reports. 2013, vol. 49, no. 1, p. 30–31.

(20) Alan Cornish, Richard Jost, Xan Arch. Selecting a Shared 21st Century Management System. Collaborative Librarianship. 2013, vol. 5, no. 1, p. 16–28.

(21) Lihong Zhu, Debra F. Spidal. Shared Integrated Library System Migration From a Technical Services Perspective. Technical Services Quarterly. 2015, vol. 32, no. 3, p. 253–273.

(22) Ping Fu, Julie Carmen. Migration to Alma/Primo: A Case Study of Central Washington University. Chinese Librarianship: an International Electronic Journal. 2015.

(23) Michael W. Dula, Gan Ye. Case Study: Pepperdine University Libraries’ Migration to OCLC’s WorldShare. Journal of Web Librarianship. 2012, vol. 6, no. 2, p. 125–132.

(24) Sever Bordeianu, Laura Kohl. The Voyage Home: New Mexico Libraries Migrate to WMS, OCLC’s Cloud-Based ILS. Technical Services Quarterly. 2015, vol. 32, no. 3, p. 274–293.

(25) William Eric Atkinson. The Orange County Library System Environment: Connecting Sierra with Custom Applications on the Web. Information Standards Quarterly. 2012, vol. 24, no. 4, p. 27–32.

(26) “Request for Proposal Shared Library Management Service”. Orbis Cascade Alliance.
https://www.orbiscascade.org/file_viewer.php?id=2789, (accessed 2015-10-31).

(27) Ping Fu. Supporting the Next-Generation ILS: The Changing Roles of Systems Librarians. Library Innovation. 2014, vol. 5, no. 1, p. 30–42.

(28) Marshall Breeding. “Perceptions 2014: An International Survey of Library Automation”. Library Technology Guides.
http://librarytechnology.org/perceptions/2014/, (accessed 2015-10-30).

(29) 今村昭一. IUG2015 参加報告. ふみくら. 2015, no. 88, p. 4–5.
http://www.wul.waseda.ac.jp/Libraries/fumi/88/88-03.pdf, (参照2015-10-31).

(30) 野上香織, 西川真樹子. 韓国の大学図書館における利用者サービス実態調査. 2008.
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/50580, (参照 2015-10-31).

 

[受理:2015-11-17]

 


大谷周平. Library Services Platformの現在. カレントアウェアネス. 2015, (326), CA1861, p. 9-14.
http://current.ndl.go.jp/ca1861
DOI:
http://doi.org/10.11501/9589933

Otani Shuhei.
Recent trend of Library Services Platforms.