はしがき
国立国会図書館では、電子図書館事業の一環として、電子図書館に関わる調査研究を実施しています。平成15年度・16年度には、CD-ROM等のパッケージ系電子出版物の長期的保存とアクセス手段の確保をテーマに、委託調査を行いました。
電子情報と呼ばれるものは、技術のめざましい進展に伴い次々に新しい形態が取って代わり、図書館等が蓄積した電子情報はほんの一時代前のものでも再生できなくなる恐れが顕在化しています。また、情報を記録した媒体自体の寿命についても諸説があり、その保存について対応を迫られています。今回の調査は、納本等により多くの電子出版物を収集し、これらを保存・提供する責務を持つ国立国会図書館にとって喫緊の課題であるという認識をもって実施したものです。
調査の対象は、国立国会図書館が所蔵するパッケージ系電子出版物としましたが、内容は、当館のみならず他の図書館や関連機関、図書館情報学の分野でも役立てていただけると考えています。そこで、この調査報告を『図書館調査研究リポート』No.6として刊行し、広く成果の共有を図ることにいたしました。また、刊行に際し「パッケージ系電子出版物の長期的な再生可能性について」というタイトルを付しました。
国立国会図書館では、本年も引き続き『図書館調査研究リポート』の刊行を積極的に進めていきたいと考えています。今後ともご支援、ご協力をお願いいたします。
平成18年3月
関西館事業部図書館協力課長
豊田 透