カレントアウェアネス-E
No.119 2007.12.12
E728
RDA,構成を大幅に変更
2007年10月に行われたRDA開発合同運営委員会(JSC;旧称は英米目録規則改訂合同運営委員会)ミーティングにおいて,資料の記述とアクセス(RDA;E372,E614参照)の構成を大幅に変更することが承認された。
当初RDAは3部構成を取っていた(E372参照)が,2006年4月のJSCミーティングにおいて,「記述」と「アクセスポイントコントロール」の2部構成に変更された。しかし,この構成に対し,
- 書誌データと典拠データとを関連づけるという現在のデータベース構造にあまりにも密接に基づくものであり,RDAの目ざすデータベース構造とは異なる。(オーストラリア目録委員会(ACOC))
- FRBR(CA1480参照)とFRAD(典拠データの機能要件;E640参照)と十分に連携が取れていない(米国図書館協会(ALA))
- 著作(work)と表現形(expression)との関連(relationship)が適切に取り込まれていない(米国議会図書館(LC))
という疑義が各機関から唱えられた。このため,FRBRの実体(entities)および利用者タスク(user tasks)の両方により密接に関連づけられた,「属性(attributes)の記録」,「関連の記録」の2つのグループ,合計10のセクションからなる新構成が作成された。JSCでは,この新構成には,
- FRBRおよびFRADモデルとのより密接な連携,またFRBRの実体と利用者タスクへの直接的な言及によって,カタロガーがRDAの概念を学び,理解しやすくなる。またシステムデザイナーが,OPAC等の情報探索支援ツールをより簡単に開発できるようになる。
- 新構成は特定のレコード構造に縛られないため,さまざまなデータベース構造を利用しているコミュニティからもより理解されやすい。
- 新構成はより柔軟で拡張性が高いので,オブジェクト指向モデルやリレーショナル構造といった,今後主流となっていくであろう形式にも移行しやすい。
という利点があるとしている。
なおJSCは,このようなRDAの構成の大幅な変更にかかわらず,2009年にRDAの初版を発行するという。また,英国図書館(BL),LC,オーストラリア国立図書館(NLA),カナダ国立図書館・文書館(LAC)の4館も,RDAの導入に向けて協力関係を構築するとともに,現段階では2009年末までにRDAを導入する予定であるとしている。
Ref:
http://www.collectionscanada.ca/jsc/rda-new-org.html
http://www.collectionscanada.ca/jsc/0710out.html
http://www.collectionscanada.ca/jsc/0604out.html
http://www.collectionscanada.ca/jsc/rdaimpl.html
CA1480
E372
E614
E640