カレントアウェアネス-E
No.65 2005.09.07
E369
ハリケーンの図書館への影響についての第1報(米国)
8月29日に米ルイジアナ州に上陸したハリケーン「カトリーナ」は,未曾有の大災害を引き起こした。図書館および図書館員の被害の全貌はまだ明らかではないが,米国図書館協会(ALA)は,直後から図書館が関係しているニュースをクリップして,状況の把握に努めている。それを見ると,洪水や強風によって多くの図書館が被災・倒壊した様子が垣間見られる。一例を挙げれば,ミシシッピ州のビロクシ図書館は3m以上の洪水に飲み込まれ,ルイジアナ州では少なくとも6郡で学校とその図書館が倒壊したと伝えている。ルイジアナ図書館協会やテキサス図書館協会は,図書館を復旧させるための義援金を募っている。
こうした中でも,緊急時の図書館サービス(CA1533参照)として,多くの図書館が活動を行っている。避難場所として館内を提供する,避難者に図書や雑誌を届ける,インターネット端末を提供する,子どもへの読み聞かせを行うなど様々なサービスを提供しているようだ。特に,PC環境,インターネット環境の提供は反響が大きく,どの図書館も長蛇の列ができたという。また,カルカスー郡公共図書館やルイジアナ州立図書館は,ホームページ上で避難者に有用な情報サイトを集め紹介したり,レファレンスを受け付けたりしている。被災した人々の情報ニーズに応えようとする図書館の姿はマスコミにも取り上げられている模様である。
Ref:
http://www.ala.org/ala/alonline/hurricanekatrinanews/katrinanews.htm
http://www.libraryjournal.com/article/CA6253141.html
http://www.ala.org/ala/pressreleases2005/september2005/HurricaneKatrina.htm
CA1533