E370 – 図書館の閉鎖を回避する−米国における最近の動き

カレントアウェアネス-E

No.65 2005.09.07

 

 E370

図書館の閉鎖を回避する−米国における最近の動き

 

 米国では図書館の運営予算が大幅に削減されており,ニューヨーク州エリー郡やカリフォルニア州サリナス市で図書館が閉鎖の危機にあることはE276で紹介したとおりであるが,その後も引き続き図書館の存続・閉鎖や運営予算の確保が課題となっている。

 ニューヨーク州エリー郡では,郡議会において売上税の増税案が可決されたことで図書館運営費が確保されるため,すべての図書館の閉鎖は回避された。7月の公共図書館委員会では,設備,アクセシビリティ,活動状況など19の指標を用いて各分館を総合評価した結果に基づき,全52館のうち下位24館を閉鎖しなければならないとされた。しかし8月上旬には,この評価方法によると郡南西部には図書館がなくなってしまうことへの配慮や,住民からの見直し要求などを受けて,100名の職員の解雇や20館の閉鎖を含めた計画として承認された。さらに8月後半には,4つの町で町費の投入により図書館の閉鎖を回避することが決定され,現時点では16館が閉鎖される見通しである。

 また,カリフォルニア州サリナス市では,5セントの売上税を課すかどうかを11月の選挙で問うことが予定されている。増税に関しては2004年にもその是非が問われたが,このときは反対多数で否決されており,今回が2度目の投票となる。これが可決されると,現在は寄付により賄われている図書館運営費のほか,警察,清掃業務など予算が削減されている業務に対してあわせて1,000万ドルの財源が用意されることになる。

Ref:
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/2005abc/july2005a/buffaloexpectsclosures.htm
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/2005abc/august2005abc/buffalo.htm
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/2005abc/august2005abc/buffalotowns.htm
http://www.libraryjournal.com/article/CA631187.html
http://www.ala.org/al_onlineTemplate.cfm?Section=june2005a&Template=/ContentManagement/ContentDisplay.cfm&ContentID=95611
E276