カレントアウェアネス-E
No.59 2005.06.01
E331
健康情報提供サービスの可能性(米国)
インターネット利用者10人のうち8人はダイエットや特定の病院情報など健康に関する情報を見ている。5月17日に発表された,非営利調査機関Pew Internet & American Life Projectの調査報告は,米国における健康情報への関心の高さを示している。
こうした健康情報の需要の高まりを受けて,米国図書館情報学国家委員会(NCLIS)は,2月の将来計画で,健康情報の提供サービスを重点活動領域と位置付けた(E308参照)。5月2日に発表されたレポート『図書館と健康コミュニケーション』では,他の図書館のモデルとなるような37の健康情報提供プログラムを選定し表彰している。例えば,マサチューセッツ大学医学図書館は,病院の小児科や公共図書館とパートナーを組み,治療中の子どもや両親からのレファレンスに答えたり,インターネット上の健康情報の使い方について講習を行っている。
同レポートによると,信頼できる情報源があること,専門的知識をもった情報専門職員がいること,全米中の各地域に根付いていることなどから,健康情報の提供サービスは図書館の役割としてふさわしいと考えられるという。NCLISはこのレポートを大統領や議会に送り,図書館政策に反映させるため,健康コミュニケーションの中で図書館がどのような位置を占めることができるのか検討する官民調査会を設置するよう勧告を行った。
Ref:
http://www.nclis.gov/info/ModelProgramsReport04-19-05.pdf
http://www.nclis.gov/news/pressrelease/pr2005/LibsHealthAdvice05-05-05.pdf
http://www.pewinternet.org/PPF/r/156/report_display.asp
E308