英・ケンブリッジ大学図書館職員による、電子書籍に関する学生の利用状況等の調査結果が公開

2021年9月15日、英国ケンブリッジ大学図書館を拠点として同大学の学生や教職員に電子書籍提供を行うチームebooks@cambridgeのウェブサイトに、同館職員が実施した、学生の電子書籍の利用状況や電子書籍に対する意識についての調査の結果が掲載されました。

調査は、ポストコロナにおける電子書籍への支出に関する今後の判断の参考とすることを目的として行われました。学部生と講義主体の修士課程の学生を主な対象とし、2021年5月31日から7月16日にかけて実施され、751件の回答が寄せられました。

調査結果の要約には、量的調査の結果として、2020/21年度の電子書籍利用頻度について、62%が毎日または1週間に数回、17%は月に1回または全く利用しないと回答したとあります。また、大学の講義が対面式に戻った場合の電子書籍の利用について、60%は調査時点と同程度、16%は増加、24%は減少すると思うと回答したこと等が指摘されています。

質的調査の結果としては、新型コロナウイルス感染症が電子書籍の利用に及ぼした影響に関するコメントが多く見られ、リモート学習や図書館の利用制限時における利便性を指摘する意見もある一方、全日オンラインで作業をする際には電子書籍が使いにくいという意見があったと述べています。加えて、多くの学生が紙の書籍と電子書籍の両方にアクセス可能であることの重要性を強調していたとあります。

Cambridge Colleges Libraries Forum Ebooks Survey, July 2021(ebooks@cambridge, 2021/9/15)
https://ebookscambridge.wordpress.com/2021/09/15/cambridge-colleges-libraries-forum-ebooks-survey-july-2021/

Ebooks survey July 2021 on behalf of the Cambridge College Libraries Forum (CCLF) Executive summary [PDF:1ページ]
https://ebookscambridge.files.wordpress.com/2021/09/ebooks-survey-july-2021-executive-summary.pdf

Ebooks survey July 2021 [PDF:41ページ]
https://ebookscambridge.files.wordpress.com/2021/09/ebooks-survey-july-2021-summary-report.pdf

参考:
英国内の複数の図書館・高等教育関係組織が連名により新型コロナウイルス拡大危機の中での教育研究活動維持のため出版社等へ求める行動を示した共同声明を発表
Posted 2020年3月23日
https://current.ndl.go.jp/node/40563