カナダ国立図書館・文書館(LAC)とオタワ公共図書館(OPL)の共同施設の名称が“Ādisōke”に決定

2021年8月5日、カナダ国立図書館・文書館(LAC)とオタワ公共図書館(OPL)が、両館の共同施設の名称を“Ādisōke”に決定したと発表しています。同施設の建設地一帯に住むファースト・ネーション(先住民族)により名づけられたもので、 Anishinābemowin語で「物語りを語る(telling of stories)」を意味する言葉です。

ストーリーテリングは先住民が知識・文化・歴史を世代を超えて共有する手段であり、また、知識・文化・歴史や創造性・共同・連携を結びつけることを意味しているため、カナダと先住民のストーリを保存するLACと、学習意欲を高め、好奇心を刺激し、人々を結びつけることでコミュニティを構築し人生を変えるためにストーリーを活用するOPLの共同施設として意義深くふさわしい名前であるとしています。

今後、子ども向けのディスカバリーセンターや外部テラスなどにもAnishinābemowin語の名称が付けられる予定となっています。

Ottawa Public Library – Library and Archives Canada Joint Facility named Ādisōke by Anishinābe Algonquin Nation(LAC,2021/8/5)
https://www.canada.ca/en/library-archives/news/2021/08/ottawa-public-library–library-and-archives-canada-joint-facility-named-adisoke-by-anishinabe-algonquin-nation.html

Ottawa Public Library – Library and Archives Canada Joint Facility named Ādisōke by Anishinābe Algonquin Nation(OPC,2021/8/5)
https://biblioottawalibrary.ca/en/ottawa-public-library-%E2%80%93-library-and-archives-canada-joint-facility-named-%C4%81dis%C5%8Dke-anishin%C4%81be

参考:
カナダ政府、カナダ国立図書館・文書館(LAC)とオタワ公共図書館(OPL)の共同施設に対して持続可能性の更なる向上のため追加投資の実施を発表
Posted 2021年2月19日
https://current.ndl.go.jp/node/43331

カナダ国立図書館・文書館(LAC)とオタワ公共図書館(OPL)の共同施設の設計案が公表
Posted 2020年1月24日
https://current.ndl.go.jp/node/40045

E2335 – カナダ国立図書館・文書館の2019-2020年活動報告
カレントアウェアネス-E No.404 2020.12.10
https://current.ndl.go.jp/e2335

CA1970 – 日本の図書館と先住民族:IFLA2019年アテネ大会先住民分科会でアイヌ民族を取り上げるセッションを組織して / 兎内勇津流, 石原真衣, 亀丸由紀子
カレントアウェアネス No.343 2020年3月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1970