オルトメトリクス指標を用いた新型コロナウイルス感染症関連文献の書誌計量(文献紹介)

2021年1月14日付で、医療分野のイノベーションや情報技術を扱ったオープンアクセスの査読誌“Journal of Medical Internet Research”(JMIR)の第23巻第1号に、米国の医学研究者・臨床医師らによる共著論文“Assessing the Dissemination of COVID-19 Articles Across Social Media With Altmetric and PlumX Metrics: Correlational Study”が掲載されています。

著者らは、一般市民・医療者への新型コロナウイルス感染症関連情報の流通において、ソーシャルメディアが大きな役割を果たしていることに着目し、学術論文のソーシャルメディア上での共有や言及を定量的に測定可能なオルトメトリクス指標による書誌計量について、その特徴や被引用数・インパクトファクターなどの伝統的な書誌計量との比較の考察等を試みました。分析対象とするオルトメトリクス指標には、Altmetric社の“Altmetric Attention Score”(AAS)と、Plum Analytics社の研究成果評価分析ツールPlumXが提供する“PlumX Field-Weighted Citation Impact Score”(PlumX score)を選定しています。

著者らは、PubMedを情報源に特定した2020年5月までに公表された新型コロナウイルス感染症関連論文に対して、Altmetric Explorerを用いてAASを取得し、AASが上位100位までの論文を分析の対象としました。続いて、これら100件の論文について、Elsevier社の文献データベースScopus等により、書誌情報・掲載誌のインパクトファクター・被引用数・PlumX scoreなどの収集を行いました。そして、取得したAAS、PlumX score、被引用数について、相関関係の検討を行っています。

分析対象とした100件の論文について、AAS、PlumX score、被引用数の中央値がそれぞれ4922.50、37.92、24.00であったこと、New England Journal of Medicine誌が最多となる18件の論文を掲載していたこと、Twitter上での言及が最も多かったことなどを報告しています。相関関係については、AASとPlumX scoreはともに被引用数との正の相関関係が認められたものの、より強い相関関係が示されたのはPlumX scoreであったことなどを述べています。

Tornberg, Haley et al. Assessing the Dissemination of COVID-19 Articles Across Social Media With Altmetric and PlumX Metrics: Correlational Study. Journal of Medical Internet Research. 2021, 23(1), e21408.
https://doi.org/10.2196/21408

参考:
2020年の新型コロナウイルス感染症の大流行は学術出版・研究成果公開にどのような影響を与えたか(記事紹介)
Posted 2021年1月13日
https://current.ndl.go.jp/node/42965

パーキンソン病研究においてAltmetric Attention Scoreが高い論文に関する研究(文献紹介)
Posted 2017年2月14日
https://current.ndl.go.jp/node/33464

Scopusで研究成果評価分析ツールPlumXのAPIの提供開始
Posted 2019年2月14日
https://current.ndl.go.jp/node/37581

E1774 - 研究成果の計量的指標に関するガイド<文献紹介>
カレントアウェアネス-E No.299 2016.03.03
https://current.ndl.go.jp/e1774