Library Journal誌、2019年の米国の図書館情報学大学院卒業生の就職・給与状況調査の結果を掲載

2020年10月15日、Library Journal誌が実施している、米国の図書館情報学(LIS)大学院卒業生の就職・給与状況調査について、2020年版(2019年の状況)のデータが公開されています。

米国図書館協会(ALA)から認定を受けた図書館情報学大学院のうち、米国に所在する52の大学院に対し調査の呼び掛けが行われ、36の大学院が調査に協力しました。2019年、これら36の大学院では4,263人に学位を授与しましたが、全体の約26%に当たる1,106人が調査に回答しています。

調査結果のハイライトとして、次の6点が挙げられています。

・給与水準やフルタイム雇用の割合は改善が続いている
・一方で、新卒者の失業率が上昇している
・男女間の給与格差はもはや縮小傾向になく、2019年の結果では大きな格差が明らかになっている
・LIS関係機関で働く卒業生の増加という従来の傾向と逆の動きが生じ、LIS関係機関以外で働く卒業生の割合が3倍近くになっている
・昨年に続き、卒業生はユーザーエクスペリエンス/ユーザビリティ分析が主要業務の上位2位の一つと回答している
・LIS大学院は、2020年の卒業生が新型コロナウイルス感染症による変化により厳しい就職活動を余儀なくされると予想している

LJ’s Placements and Salaries Survey 2020(Library Journal, 2020/10/15)
https://www.libraryjournal.com/?detailStory=ljs-placements-and-salaries-survey-2020

LJ’s Placements and Salaries Survey 2020 | Methodology(Library Journal, 2020/10/15)
https://www.libraryjournal.com/?detailStory=ljs-placements-and-salaries-survey-2020-methodology

参考:
Library Journal誌、2016年の米国の図書館情報学大学院の卒業生の就職状況調査の結果を掲載
Posted 2017年10月18日
https://current.ndl.go.jp/node/34850

北米研究図書館協会(ARL)、加盟図書館員の給与調査レポートの2018-2019年度版を公開
Posted 2019年7月31日
https://current.ndl.go.jp/node/38695

北米の研究図書館における男女の給与格差の経時的変化(文献紹介)
Posted 2020年5月15日
https://current.ndl.go.jp/node/40961

E985 – 経済不況のあおりを受ける図書館情報学卒業生の就職状況(米国)
カレントアウェアネス-E No.160 2009.11.04
https://current.ndl.go.jp/e985