E509 – オックスフォード vs ケンブリッジ−評価の決め手は図書館?

カレントアウェアネス-E

No.86 2006.07.05

 

 E509

オックスフォード vs ケンブリッジ−評価の決め手は図書館?

 

 ケンブリッジ大学はほとんどの評価がオックスフォード大学を上回るが,図書館とコンピュータ費で大差が出て,総合評価はオックスフォード大学が1位となる。先日公表された英タイムズ紙の2007年版英国大学ランキング“The Times Good University Guide 2007”では,英国を代表する二大私学について,このような評価が下された。  

 “The Times Good University Guide”では,学生の満足度,研究評価,入試レベル,スタッフ一人あたりの学生数,学生一人あたりの図書・コンピュータ費,施設費,トップレベルの研究の割合,卒業後の就職割合,卒業率などを算定し,その総合評価で英国の大学をランキングしている。学生一たりの図書・コンピュータ費は,2001〜2004年の高等教育統計局(Higher Education Statistics Agency:HESA)のデータを平均して算定しており,これによるとオックスフォード大学は学生一人当たり1,656ポンド(約35万円)であるのに対し,ケンブリッジは1,129ポンド(約24万円)であるという。その他の項目では44項目中35項目で,オックスフォードよりもケンブリッジのスコアが上位となった。だが総合評価は逆転し,トップとなるオックスフォードの得点を1,000とすると,ケンブリッジは973であると評価されている。  

 個々の評価と総合評価の逆転については“Q and A”でも取り上げられており,主筆のJohn O’Leary氏は,図書館とコンピュータ環境への投資の差が,このような大きな違いを生んだと述べ,図書館の評価が両者に対する評価の違いを決定付けたものの一つであることを明らかにしている。

Ref:
http://www.timesonline.co.uk/article/0,,716-2209120.html
http://www.timesonline.co.uk/article/0,,716-2208313.html
http://www.timesonline.co.uk/displayPopup/0,,102571,00.htm
http://orweblog.oclc.org/archives/001048.html