カレントアウェアネス-E
No.86 2006.07.05
E508
「天安門」「チベット独立」はNG−中国における検索エンジン検閲の状況
報道の自由を守るための国際組織である国境なき報道団(Reporters Without Borders)は6月15日, Yahoo!,Google,MSN(ベータ版)の3社が中国で提供しているサーチエンジンの検閲状況に関する調査結果を発表した。
これによると,最も厳格な検閲をしているサーチエンジンはYahoo!で,反政府活動を表すキーワードで検索したところ,検索結果の97パーセントが検閲済みサイトで占められた。この結果はGoogle(83パーセント)やMSN(78パーセント)より高く,中国国産の検索エンジン「百度」と同程度の厳しさであるという。ちなみに同様のキーワードでgoogle.comを検索したところ,検閲済みサイトの割合は28パーセント程度であった,とのことである。
さらにYahoo!では,天安門事件を意味する「6-4」や「チベット独立」など,特定のキーワードで検索をおこなうと,検索結果が返信されないばかりか,それまでの検索とは関連の全くない,別のキーワードによる新たな検索も約1時間程度,拒絶される。このような対応は,「百度」では実施されているものの,Yahoo!以外の外国製検索エンジンではおこなわれていないとのことである。
国境なき報道団は,「これらの企業は道徳的な主義をまげることなく,中国市場に進出していると確信しているが,中国当局に対して毅然かつはっきりとした立場で関係を持つ必要がある」とコメントしている。
Ref:
http://www.rsf.org/article.php3?id_article=18015
http://lisnews.org/article.pl?sid=06/06/15/2353247