E489 – Open Document FormatがISOの標準に認められる

カレントアウェアネス-E

No.83 2006.05.24

 

 E489

Open Document FormatがISOの標準に認められる

 

 国際標準化機構(ISO)は,5月8日付のプレスリリースで,Open Document Format(ODF)をISO/IECの標準(ISO/IEC 26300)として認めたことを発表した。ODFは,オープンソースのソフトウェアOpenOffice.orgで用いられるXMLベースのファイルフォーマットであり,XML関連の標準化団体であるOASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)においても2005年に標準として認められている。政府機関が発行するデジタル文書のフォーマットの標準化を求めて活動しているODF Allianceは5月3日付けプレスリリースで,ODFがISO標準に認められたことは「政府文書の保存・管理方法の効果的なあり方を見出す重要な出来事」であると述べている。  

 現在,オフィス文書の多くはごく少数の文書作成ソフトを用いて作成されているが,この場合,最初から最後まで同じソフトウェアを用いて作業を行う必要があり,かつ保存された文書は作成の際に用いたソフトウェアでなければ修正することも見ることもできないことがある。これに対して,ODFフォーマットにより保存された文書は,ファイルが作成されたアプリケーションに依存せず,ODFに対応している他のアプリケーションでも編集が可能である。

 一方,マイクロソフト社の“Office 12”の標準ファイル形式Microsoft Office Open XMLも,XMLベースのファイル形式として標準化を目指している。こちらは2005年に発表されたもので,マイクロソフト社のほかアップル社や英国図書館(BL)などが共同提出者として名を連ねている。国際的な標準化組織であるEcma Internationalはこのほど,これをベースとした“Office Open XML File Formats 1.3”のドラフト版を発表しており,こちらの標準かも注目される。なお,Open XMLを搭載したOffice 12ではOpen Document文書を直接処理できるようにはされない見込みである。

Ref:
http://www.iso.org/iso/en/commcentre/pressreleases/2006/Ref1004.html
http://www.odfalliance.org/
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060504/236970/
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/USNEWS/20060522/238521/
http://www.ecma-international.org/news/TC45_current_work/TC45-2006-50.htm