E488 – サウジアラビアの図書館拡充計画

カレントアウェアネス-E

No.83 2006.05.24

 

 E488

サウジアラビアの図書館拡充計画

 

 2006年5月4日付けアラブニュース紙によると,サウジアラビアのアブドラ国王が図書館評議委員会に出席し,現代の技術と,文化や知識についての膨大な情報を駆使して,図書館や情報センターを改善するように指示した。  

 サウジアラビアには現在,約80の公共図書館が存在しているが,このほとんどは大学に付設されており,一般市民,特に女性にとって,図書館を娯楽・教育の場として利用する機会は制限されていた。この状況を問題視した文化情報相が2005年9月,公共図書館の増設,蔵書の強化,文化施設への転換,一般市民,特に女性への開放といった図書館拡充計画を打ち出したところである。

 国王はこのような状況を踏まえて,「イスラム原理主義を排除し,真のイスラム教育を推進しなくてはならない」として,イスラム教とサウジアラビアにともに貢献するよう要請した。具体的には,多様な文化の科学,知識,文学,芸術についての調査研究および相互翻訳の重要性を説き,またアブドル・アジズ王公共図書館が行っているサウジアラビア百科事典を製作するプロジェクトに対しても,アラビア語と英語の両言語で作成しインターネットでも提供するように要望した。また,最新の技術を用いて,アラブ文化,とりわけアラビック・カリグラフィーを保存するように,とも指示した。

Ref:
http://www.arabnews.com/?article=81673
http://www.arabnews.com/?article=70814