E327 – ウェブサイトの使いやすさに関する調査報告書(英国)

カレントアウェアネス-E

No.58 2005.05.18

 

 E327

ウェブサイトの使いやすさに関する調査報告書(英国)

 

 英国内外の300を超える博物館,図書館,文書館のウェブサイトを対象に,その使いやすさをロンドン市立大学が調査した報告書が,4月12日に発表された。

 あらゆる人に使いやすいウェブサイトを作成するための指針としては,WAI(Web Accessibility Initiative)が1999年に発表した「ウェブ内容アクセス指針1.0」(CA1471参照)があるが,報告書ではこの指針の適合状況も示されている。それによると,全体の約42%が最低限対応すべき水準(Level A)を満たしていたものの,更に高い水準(Level AAまたはLevel AAA)を満たすウェブサイトはごく少数であった。また,読むことに障害のある人々の閲覧に支障があるウェブサイトの例も少なからず報告されている。特に,画面構成については,リンク先が明示されていない,ウェブ上での誘導の仕方がページによってまちまちである,重要な情報がページの目立つところにないなど,利用者が求める情報に適切に誘導する仕組みが十分に設けられていない例が多いことが明らかになった。

 報告書では,これらの調査結果を踏まえて,博物館,図書館,文書館には,障害のある人を含めあらゆる人に使いやすいウェブサイトであることを計画の段階から考慮すること,博物館・図書館・文書館国家評議会(MLA)にはWAIガイドラインに基づいたアクセシビリティ確保のための指針を作成することなどを提言している。

Ref:
http://www.mla.gov.uk/news/press_article.asp?articleid=792
http://www.mla.gov.uk/documents/mla_web_accessibility.pdf
http://www.w3.org/TR/WAI-WEBCONTENT/
CA1471