カレントアウェアネス-E
No.50 2004.12.15
E277
建設が進むLCの国立音声映像保存センター
米国議会図書館の映画放送録音物部(Motion Picture, Broadcasting and Recorded Sound Division: MBRS;注)は,音声・映像資料の新しい保存センターである国立音声映像保存センター(National Audio-Visual Conservation Center: NAVCC)の建設をヴァージニア州カルペパーで進めている。デイヴィッド&ルシール・パッカード財団の資金援助のもと,およそ1億7千万ドル(約180億円)をかけて建設されているこのセンターは,丘陵の斜面に建物全体が収まる構造となっており,4万平方メートル近い収蔵スペースのほか,可燃性フィルム(ナイトレート・フィルム)のための122の専用保管庫や保存修復ラボが設けられる。また,デジタル保存に対応するための設備・システムも導入される。2005年6月に建物が完成し,2006年4月までにワシントンD.C.とオハイオ州デイトンの施設・人員が新センターに統合される。
音声・映像資料のデジタル変換や,デジタル資料の保存への対応を図ると同時に,オリジナル・メディアの保存を最大限考慮しようとするMBRSの姿勢は内外で評価されている。
(注)映画フィルム,テレビ番組,ラジオ番組,その他の音声資料の収集・組織化・保存を所管する全米最大規模の音声・映像資料アーカイブ。約4百万点の資料を所蔵する。フィルム保存修復部門は現在オハイオ州デイトンに設置されている。
Ref:
http://mic.imtc.gatech.edu/preservationists_portal/presv_navcc.htm
http://www.wjla.com/news/stories/1104/187558.html
http://www.wired.com/news/digiwood/0,1412,63311,00.html
岡島尚志.米国の公的フィルム・アーカイブ(2)−議会図書館・映画放送録音部.NFCニューズレター.(57),2004,14-16.