E177 – 図書館の将来に影響を与える要因とは? OCLC戦略レポート

カレントアウェアネス-E

No.32 2004.03.03

 

 E177

図書館の将来に影響を与える要因とは? OCLC戦略レポート

 

 図書館を取り巻く諸問題は,現在どのような様相を見せているのだろうか? OCLCの戦略レポート『2003 OCLC Environmental Scan: Pattern Recognition』は,図書館などの情報機関の将来に影響を与える要因に関して示唆に富んだ包括的なレビューを提供している。同レポートはOCLC自身の将来計画を策定するために作成されたものだが,図書館界全体の議論の契機となることを意図してOCLCのホームページ上で一般に公開されている。

 同レポートは,100人以上もの図書館員やベンダー,文書館員,その他の情報専門家に対するインタビュー調査の成果をまとめたもので,「情報消費者」へのサービスを中心テーマとして,職員問題からデジタルアーカイビングまでの幅広いトピックについて戦略的な評価が試みられている。

 最終章では,興味深い全体傾向として,(1)コンテンツのアクセスに関して図書館や図書館目録が提供してきたようなきめ細かな案内のあるものが減ってきていること,(2)情報の断片化および組織やサービスの断片化が進んでいること,(3)情報技術の発達によりオープンソースソフトウェアのような協力活動が活発になっていることの3つが挙げられ,続いて図書館が将来取るべき枠組みが考察されている。

Ref:
http://www.oclc.org/membership/escan/default.htm
http://www.infotoday.com/newsbreaks/nb040119-2.shtml