E1168 – 世界図書・著作権の日に各国でイベントが開催される

カレントアウェアネス-E

No.192 2011.04.28

 

 E1168

世界図書・著作権の日に各国でイベントが開催される

 

 1995年にユネスコは,読書や出版,著作権を通じた知的財産保護の促進を目的に,毎年4月23日を「世界図書・著作権の日」(World Book and Copyright Day)と定めた。4月23日とされたのは,シェイクスピアやセルバンテス等の歴史上有名な作家が死去したとされる日にあたり,またスペイン・カタルーニャ地方で「サン・ジョルディの日」(サン・ジョルディとは聖人)として,本やバラを贈りあう日であることに因んでいる。日本でも,2001年に施行された「子どもの読書活動の推進に関する法律」によって,同日は「子ども読書の日」と定められている。各国では例年この日に,本や読書等に関連したイベントが開催されている。以下では,ユネスコによる「世界本と著作権の日」のポータルサイトに掲載された情報やインターネットニュース等の記事を基に,4月23日の各国でのイベントの様子をいくつか紹介する。

 フランスのスペイン語話者協会では,フランス・モンペリエの広場でスペイン文学等に触れるイベントを開催した。カタルーニャ語やカスティーリャ語(いわゆるスペイン語)でサン・ジョルディに関する伝説の朗読やフラメンコのコンサート等が行われた。

 ボスニア・ヘルツェゴビナ出版社・書店協会は,4月23日前後にサラエボで開催されている国際ブックフェアーとブック・ビエンナーレの期間中に,著作権と出版社の権利に関するラウンド・テーブルや著名作家等の表彰式を開催した。また,ボスニア・ヘルツェゴビナ文化フォーラム第1回大会等も開かれた。

 ブルガリアの図書館情報技術大学では,4月18日から23日までの一週間を「世界図書・著作権の日」のイベント週間として,学生が本を手作りするワークショップや,同国の若手の作家へのインタビューが行われたほか,貴重書の展示やデジタル環境下での著作権保護に関するプレゼンテーション等が実施された。

 パキスタン・カラチの図書館クラブは,図書館職員と図書館情報学を学ぶ学生との間で「世界図書・著作権の日」に関するプレゼンテーションコンペが開かれたという。

 スペイン・バルセロナでは「サン・ジョルディの日」にあわせて,市内各所で本の販売や著名作家による読者へのサインイベントが開催されたほか,聖家族教会(Sagrada Familia)では日本の東日本大震災の犠牲者のための追悼式典も行われた。

 日本では,各地の公共図書館等でお話し会や映画鑑賞会といった子ども向けのイベントが行われた。なお,社団法人読書推進運動協議会は,同協議会の定める「こどもの読書週間」について,2011年は4月23日から5月12日までとし,また2011年の標語として「友だち100冊つくるんだ」を掲げ,事業を推進している。

Ref:
http://portal.unesco.org/culture/en/ev.php-URL_ID=5125&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html
http://portal.unesco.org/culture/en/ev.php-URL_ID=41628&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html
http://www.20minutos.es/noticia/1028293/0/sant/jordi/libro/
http://lib.city.nagasaki.nagasaki.jp/oshirase/eiga/eiga.html#11042101
http://www.library.pref.mie.lg.jp/kids/gyoji.htm
http://www.oml.city.osaka.jp/1bk/1bkn_13.html
http://www.dokusyo.or.jp/