カレントアウェアネス-E
No.13 2003.04.16
E074
貴重コレクションの指定制度を図書館へ拡大(英国)
英国では,国以外が運営する博物館,美術館が所蔵する貴重コレクションへの認識を高め,その保護,利用・公開の促進とサービス水準の向上を図ることを目的とした国の指定制度が1997年に設けられ,現在までに62の博物館,美術館の所蔵資料が指定されている。文化・メディア・スポーツ省はこの制度の運営のための基金を1999年に設立し,これをもとに3年間の助成プログラムを行ってきた。管理運営は,博物館・文書館・図書館国家評議会(Resource,CA1382参照)が担い,これまでに15百万ポンド(約28億5千万円)が助成されている。
Resourceが発表した指定制度の評価報告書(The Mark of Success)によれば,指定によってコレクションの重要性への理解が深まり,資金調達が容易になったり,また基金からの助成によって,コレクションの保存,研究,公開等が進み,職員のモラルも向上したという。
この評価を踏まえて,Resourceは指定制度と資金助成を継続し,さらに図書館,文書館が所蔵する貴重コレクションも対象に加え,博物館,美術館,図書館,文書館の連携協力を促していくことを提言している。また,そのための追加的な財政支援を要請するとともに,新しい指定制度の草案を3月24日に公開し,パブリックコメントを求めている。
Ref:
http://www.resource.gov.uk/action/designation/00desig.asp
CA1382