カレントアウェアネス-E
No.8 2003.02.05
E045
インターネットが知的財産権に及ぼす影響−WIPO報告書
世界知的所有権機関(WIPO)は,2002年12月,インターネットの普及が知的財産権と当該権利に係る国際的な制度・体制に及ぼす影響と問題を概観した報告書『インターネット上の知的財産権(Intellectual Property on the Internet : A Survey of Issues)』を発表した。
著作権に関しては,WIPO新条約 (注) の概要,オンライン上の著作物の保護と利用に関する法制度の整備と技術の進展,権利管理の動向等が論じられている。著作権のほか,商標,特許,ドメイン名等をめぐる問題や国際的な紛争における準拠法・裁判管轄,裁判外の紛争解決(ADR)をめぐる課題,発展途上国が抱える問題など,広範な論点を取り上げている。
(注) 「WIPO著作権条約」と「WIPO実演・レコード条約」の総称で「WIPOインターネット条約」とも呼ばれる。