E024 – 「技術・教育・著作権協調法」が施行(米国)

カレントアウェアネス-E

No.4 2002.11.20

 

 E024

「技術・教育・著作権協調法」が施行(米国)

 

 11月2日,米国で「技術・教育・著作権協調法(TEACH法)」が施行された。同法は,遠隔教育における著作物の利用促進を目的に著作権法を修正するもので,昨年6月に上院を通過し,本年10月に司法省再授権法(Pub.L.No.107-273)の一部として下院で可決された。同法の成立は,米国図書館協会(ALA)を含む多くの関係団体が支援していた。

 全米の教育機関は,TEACH法により,近年 米国で盛んに行われているオンライン遠隔教育においても,提示された条件を満たせば,著作権者の許諾やロイヤリティーの支払いなしに著作権で保護された著作物を使用できることとなった。

 遠隔教育での著作権の制限は,従来の1976年著作権法にも盛り込まれていた。しかし,同著作権法はチャットやウェブなどの情報通信技術を活用したオンライン遠隔教育を含んでいなかったため,オンライン遠隔教育での著作物の利用に関しては利用許諾が必要となり,このことが図書館などのオンライン教育を支援する諸機関にとって大きな問題となっていた。

Ref:
http://www.ala.org/washoff/teach.html
http://www.copyright.iupui.edu/dist_learning.htm