英ウェールズ地方の図書館、盗難被害に悩む

Western Mail紙の調べによると英国ウェールズ地方の図書館では、この2年間で、10万冊の本が盗難に遭い、60万ポンド(約1億円)の損害が出ていることが、明らかになりました。盗難被害に遭っている資料には、『ハリー・ポッター』シリーズなど、人気のある児童書、健康に関する資料、小説などが含まれているということです。ウェールズ民族党の南ウェールズの会計主任は、被害額が大きく、インターネットの導入など図書館の他のサービスにかかる費用にも影響を及ぼしかねないとして、図書館に、蔵書を守るための行動を起こすこと、資料の返却を促進するため延滞料を免除すること、を要請しています。また地方政府が、図書館の盗難被害について詳しい情報を収集していないことを問題視しています。一方ある図書館関係者は、資料を貸し出すという図書館の第一の機能と、図書館の資料を守る取組みを両立させることは容易ではないとの見解を示しています。この関係者は、資料の盗難問題の1つの改善策として、RFIDの導入に期待を寄せている、とも語っています。

Harry Potter books vanish from libraries
– WalesOnline 2008/10/14付けの記事
http://www.walesonline.co.uk/news/wales-news/2008/10/13/harry-potter-books-vanish-from-libraries-but-it-s-not-magic-91466-22020118/

参考:
CA1574(No.286)図書館へのRFID技術の導入をめぐって
http://current.ndl.go.jp/ca1574