2022年11月10日、北米研究図書館協会(ARL)が米国の学術図書館におけるオープンアクセス(OA)経費についての報告書を公開しました。
2022年5月17日から6月13日にかけて米国の学術図書館102館を対象にアンケートを行い、46館から回答を得たとしています。Read & Publish契約または転換契約、論文処理費用(APC)またはOAファンド、非APCベースのOA出版モデル、機関リポジトリ、OAジャーナルの運営および出版サービス、オープンモノグラフといった6つの投資分野に関して実施の有無、支出額、支出先等を調査しています。
調査の結果として、回答した46館のOA経費の総額は3,200万ドルで、1機関あたりの平均は約78万5,000ドルであり、図書館予算全体の平均2.26%に相当していることが分かったとしています。また、OA経費の内訳として、Read & Publish契約が最も多く64%で、次いで機関リポジトリのサービスが18%であったことが示されています。
ARL Releases Report on US Academic Member Libraries’ Open Infrastructure Expenses(ARL, 2022/11/10)
https://www.arl.org/news/arl-releases-report-on-us-academic-member-libraries-open-infrastructure-expenses/
Investments in Open: Association of Research Libraries US University Member Expenditures on Services, Collections, Staff, and Infrastructure in Support of Open Scholarship(ARL)
https://doi.org/10.29242/report.investmentsinopen2022
参考:
cOAlition S、北米研究図書館協会(ARL)が示した5つの目標への賛意を表明
Posted 2021年4月5日
https://current.ndl.go.jp/node/43734
北米研究図書館協会(ARL)、学術成果をオープンに利用できるようにするための学術出版社との交渉の原則を定めた“MIT Framework for Publisher Contracts”への支持を表明
Posted 2019年11月15日
https://current.ndl.go.jp/node/39518
北米研究図書館協会(ARL)、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)・SPARCの公表した学術コミュニケーションサービスに関する優れた実践の原則への支持を表明
Posted 2019年8月5日
https://current.ndl.go.jp/node/38724
北米研究図書館協会(ARL)、Plan Sの実現にかかる手引きへのフィードバックを発表
Posted 2019年2月26日
https://current.ndl.go.jp/node/37658
米国大学協会(AAU)、北米研究図書館協会(ARL)、米国大学出版協会(AAUP)がオープンアクセス単行書出版イニシアティブを開始
Posted 2017年3月21日
https://current.ndl.go.jp/node/33682
北米研究図書館協会が報告書シリーズ“SPEC Kit”第353号を公開:「APCの財源」(Funding Article Processing Charges)
Posted 2016年11月2日
https://current.ndl.go.jp/node/32864