2022年10月18日、米国の無党派の非営利団体フリーダムハウス(FreedomHouse)が、インターネットの自由度を国ごとに評価した年次報告書“Freedom on the Net 2022”を公開しました。
報告書は、世界のインターネットユーザーの89%を占める70か国におけるインターネットの自由度を評価するもので、2021年6月から2022年5月までの動向を対象としています。アクセスに対する障害、コンテンツの制限、ユーザーの権利の侵害に関わる21の指標を用いて、各国のインターネットの自由度を100点満点で採点しています。
世界のインターネットユーザーの4分の3以上が、政府が表現に対する規制を行っている国に住んでいること、インターネットの自由度が最も低下したのはロシアであること等が報告されています。また、オンラインでのアクセスや共有に対して制限を加える政府が過去最多になっているとして、これに対し、オープンなインターネットを権力保持強化のための抑圧的な飛び地のパッチワークに分割しようとしていると指摘しています。
重要な所見として以下の6点があげられています。
・世界のインターネットの自由度が12年連続で低下している
・過去最多の国の政府が、よりコントロールしやすいオンライン空間を作るためにグローバルなインターネットを解体している
・中国が8年連続でインターネットの自由度がもっとも低い
・インターネットの自由度が向上した国は過去最多の26か国
・米国のスコアが6年間で初めてわずかに改善された
・ウェブの支配をめぐる競争の中で人権が危うくなっている
NEW REPORT: Repressive Governments Are Fracturing the Internet, Driving a 12th Consecutive Year of Global Decline in Human Rights Online(FreedomHouse,2022/10/18)
https://freedomhouse.org/article/new-report-repressive-governments-are-fracturing-internet-driving-12th-consecutive-year
Freedom on the Net 2022 Countering an Authoritarian Overhaul of the Internet(FreedomHouse)
https://freedomhouse.org/report/freedom-net/2022/countering-authoritarian-overhaul-internet
https://freedomhouse.org/sites/default/files/2022-10/FOTN2022Digital.pdf
※二つ目のリンクはPDF版[47ページ]です。
参考:
米・フリーダムハウス、インターネットの自由度を国ごとに評価した年次報告書“Freedom on the Net 2021”を公開:世界のインターネットの自由度が11年連続で低下
Posted 2021年9月28日
https://current.ndl.go.jp/node/44878
国際図書館連盟(IFLA)、ミャンマー国軍のインターネット遮断による情報アクセス制限に対して会長・事務局長名で深い憂慮を表明
Posted 2021年2月18日
https://current.ndl.go.jp/node/43318