2021年9月21日、米国の無党派の非営利団体フリーダムハウス(FreedomHouse)が、インターネットの自由度を国ごとに評価した年次報告書“Freedom on the Net 2021”を公開しました。
世界のインターネットユーザーの88%を占める70か国におけるインターネットの自由度を、2020年6月から2021年5月までに起こった事象に焦点をあてて評価しており、詳細な国別レポート、インターネットの自由度に係る21の指標に関するデータ、政策提言が公表されています。
世界各国の政府が技術基盤への権限を強めており、インターネット上の違法・有害情報の軽減、データの悪用の抑制、市場操作慣行の停止など合理的な試みがあるものの、多くの政府では表現の自由・プライバシー・公に対する説明責任に対する多大な犠牲を払ってコンテンツの削除や個人データの当局との共有を企業に義務付ける新しい政策の提案が行われていると指摘しています。
重要な所見として以下の6点があげられています。
・世界のインターネットの自由度が11年連続で低下
・利用者の権利をめぐって政府と技術企業が衝突
・オンライン上の表現の自由はかつてない緊張のもとにある
・中国が7年連続でインターネットの自由度がもっとも最悪の環境
・米国のスコアが5年連続で低下
・国家の介入によるオンライン上の人権の保護やオープンなインターネットの維持が必要
NEW REPORT: Global Battle over Internet Regulation Has Major Implications for Human Rights(FreedomHouse,2021/9/21)
https://freedomhouse.org/article/new-report-global-battle-over-internet-regulation-has-major-implications-human-rights
Freedom on the Net 2021 The Global Drive to Control Big Tech(FreedomHouse)
https://freedomhouse.org/report/freedom-net/2021/global-drive-control-big-tech
参考:
国際図書館連盟(IFLA)、ミャンマー国軍のインターネット遮断による情報アクセス制限に対して会長・事務局長名で深い憂慮を表明
Posted 2021年2月18日
https://current.ndl.go.jp/node/43318
改正著作権法が成立:インターネット上の海賊版対策を強化
Posted 2020年6月5日
https://current.ndl.go.jp/node/41150