2022年7月7日、電子フロンティア財団(EFF)と米国出版協会(AAP)が、Internet Archive(IA)と大手出版社4社の訴訟において、米・ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に略式判決(Summary Judgment)の要求提出に関する発表を掲載しました。
EFFは、法律事務所のDurie Tangriと共にIA側の弁護を行っています。発表の中で、図書館が蔵書をデジタル化して電子的な複製物を「1部1ユーザー」の制限のもと貸し出す“Controlled Digital Lending(CDL)”は、伝統的な図書館貸出と同様のものであり、著者や出版産業を害さないこと等を述べています。
一方、AAPは、発表の中で、AAPのメンバーである出版社が略式判決の動議(motion)を提出したこと、IAによる資料の大規模スキャン・公開・提供は著作権法に違反しており、図書館や消費者向けの合法な電子書籍市場と競合していることが明らかであること、CDLには法的な根拠がないこと等を指摘しています。
Hachette v. Internet Archive(EEF)
https://www.eff.org/cases/hachette-v-internet-archive
Publishers Seek Summary Judgment Against Internet Archive for Blatant Scanning and Distribution of Literary Works on Industrial Scale(AAP, 2022/7/7)
https://publishers.org/news/%EF%BF%BCpublishers-seek-summary-judgment-against-internet-archive-for-blatant-scanning-and-distribution-of-literary-works-on-industrial-scale/
Internet Archive Seeks Summary Judgment in Federal Lawsuit Filed By Publishing Companies(IA, 2022/7/8)
https://blog.archive.org/2022/07/08/internet-archive-seeks-summary-judgment-in-federal-lawsuit-filed-by-publishing-companies/
参考:
CA2016 – 動向レビュー:“Controlled Digital Lending”を巡る動向:CDLに羽化した図書館サービス理念と米国出版界の主張 / 山本順一
カレントアウェアネス No.351 2022年03月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2016